政府は、2024年秋に現在の健康保険証を「廃止」し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に一本化する。河野太郎デジタル大臣が発表した。
6月にまとめた「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、2024年度をメドに健康保険証とマイナ保険証のいずれかを選択するという予定で「将来的な一本化を目指す」としていたが、マイナンバーカードに一本化する時期を「2024年秋」と定めた形。
マイナンバーカードの普及と医療のDXに向けた取り組み。マイナンバーカードは申請件数が50%を超え、保険証利用を促すための「マイナポイント」第2弾も実施している。また、2023年4月から全ての医療機関や薬局でマイナンバーカード保険証を利用可能とする予定。ただし、現状はカードリーダーの導入は8割が決定しているものの、運用開始は約3割となっている。
マイナンバーカードの未取得者には、取得を促し、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す。医療機関では、訪問診療やあんまなど、マイナンバーカード対応が難しいケースもあるが、スマートフォンを使って対応可能にする予定で、そのための補正予算を組む。
マイナンバーカードの取得は「任意」のままだが、'24年秋以降は現在の健康保険証は廃止していく。河野大臣は利便性におけるメリットについて言及し、「転職、就職のために保険証を切り替えることがなくなる。また、医療のDXを考えるとマイナンバーカードを始めとした基盤整備は必要で、将来的な医療の向上につながる」とした。
医療機関では、2022年度中に環境整備し、'23年度から利用開始予定だが、訪問診療・介護、あんま鍼灸師などの対応が決まっていない。この対応のための補正予算を組む予定で、スマホなどを使って簡単に認証できる仕組みを導入する。
現在の課題として、赤ちゃん・新生児向けの対応をどうするか、(すぐに大きくなるので)写真を撮る意味はあるのか? といった議論や、再発行までの期間を短くできないかといった点が議論されているという。これらの課題解決の目処が立った上で、2024年秋の現行健康保険証廃止を進める考え。
Androidのマイナ機能は'23年5月 運転免許証も前倒し
さらに、マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載は、現在システムを構築中で、2023年5月11日からAndroidスマホでスタートする。オンライン申請やマイナポータルへのログイン、コンビニ交付などがスマホだけで可能となる。iPhoneについては「決まり次第報告」(河野大臣)とした。
マイナンバーカードと運転免許証との一体化は、2024年度末を目標としていたが、「さらに少し前倒し」を警察庁とともに検討しているという。免許更新の講習は4道県でオンライン化しているが、ゴールド免許だけでなく一般の運転者にも拡大していく予定。47都道府県に広げるのは「もう少し先」とした。
なお、運転免許証はマイナンバーカードとの「一体化」は行なうが「一本化」は予定されていない。
2023年5月16日からは、公的個人認証サービスを利用する金融機関などに、本人同意を前提に、住所などの基本4情報を提供するサービスを開始。金融機関は継続的な顧客確認が可能になる。
また、電子証明書の利用料について、署名用(20円/1件)と利用証明用(2円/件)のそれぞれの手数料を、'23年1月から3年間無料化する。民間事業者の利用コストを引き下げてマイナンバーカードの利用拡大を図る。
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