seserpeer.blogspot.com ※ 本リリースは、2022年6月27日午前9時(米国東部時間)に発表されました。
Dusty社のロボット・ FieldPrinterは、人間の約5倍の速さ、16分の1インチ以下の精度です。 (画像提供:Dusty Robotics)
Vicor Corporation (本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Patrizio Vinciarelli、NASDAQ上場:VICR、以下: Vicor)は、OLogic社(本社:米国・カリフォルニア州)の開発・製造する、モバイルロボット(自走式ロボット)にVicorの電源モジュールが採用されたと発表しました。
革新的な電力変換技術の登場により、ロボットの構成が変化しています。工場や住宅、商用で使われているロボットを、想像を超える新しい新天地で活用するには、サイズや重量の条件、電力制限、コスト効率の課題があります。最新の電源モジュールによってこれらの課題に対処できます。
現在ロボット市場は転機を迎えており、私たちの生活がロボットから受ける恩恵はますます大きくなります。そのロボットの普及に大きく貢献しているのがOLogic 社です。
OLogic社は、カリフォルニア州サンタクララを拠点にエレクトロニクス・コンサルタント業を営んでいます。電気・機械設計、生産技術のサポートと、ソフトウェア、ファームウェア技術を提供しており、15年以上に渡り、少量から大量生産まで顧客のロボット生産を手助けしてきました。モバイルロボットの動作範囲、機能、充電容量を決定する際に欠かせない、パワーエレクトロニクスの専門技術が必要な設計検討作業も請け負っています。
OLogic社は、農業やスマートホーム、在庫管理など、さまざまな産業分野で多くのロボットの設計を手掛けてきました。シリコンバレーでモバイルロボットの先駆者と考えられているベンチャー企業も、彼等の顧客です。Willow Garage社は、大学やその他の団体が開発する既製品のソフトウェアやオープンソースソフトウェアを組み合わせて、難しい作業ができるロボットを作ることで知られていました。
この会社が2014年に解散したとき、ロボットのソフトウェア専門家たちは離散しましたが、彼等は後に、ベイエリアの重要なロボットベンチャーのほとんどを設立しました。そこから、Savioke社、Knightscope社、Fetch社、Dusty Robotics社などの企業とOLogic社との新しいビジネスが始まりました。
OLogic社のCEOであるTed Larson氏は、次のように述べます。「ロボット産業における本当の花形は、機械学習やロボットのアルゴリズムによるタスク・ナビゲーションなどの、高度なソフトウェアの開発者です。電子機器は後回しにされがちで、皆が既製品を買ってきて繋げばなんとかなると思っていますが、それではあっという間に不安定な代物と化してしまいます。」
電力に注目する
モバイルロボットの電源には、様々な電力の電源が必要という、特有の課題があります。ロボットを動かすセンサー、サーボモーター、アクチュエーター、データサーバー、通信システム、その他の機器には、それぞれ異なる電力と電力密度の要件があります。電力を大量に消費するものや、動作頻度の低いものもあります。そのため、バッテリーからすばやく正確に給電する、費用対効果が高い電源が求められます。
「このところ最もよく用いるパーツは、Vicor社の ZVS降圧レギュレータです。モバイルロボットのあらゆる場所に使います。12Vで5Aか10Aが必要だから電源を自作しよう、などと考える必要はもうありません。そう考えることは一切なくなりました。」と、Larson氏は述べます。
建物のレイアウト作成を自動化し、時間とコストを削減
OLogic社は顧客と協働し、電力プロファイルの最適化に取り組んでいます。Dusty Robotics社(以下、Dusty社)もその顧客の一つです。カリフォルニア州マウンテンビューを拠点として、新しい建設作業に対応したロボットツールを製造しています。
建設業界では何世紀もの間、巻尺とチョークという2つのシンプルな道具で見取り図を描いていました。建築家が高度な3D CADモデルを用いて建物を設計する今日でさえ、紙に印刷した見取り図を現場に運び、手作業で地面に転写しています。巻尺やマーカーを使った作業は時間がかかり、ヒューマンエラーが発生しやすく、スケジュールや予算にも影響します。ミスがあった場合に発生する手戻りのコストは、Dusty社によれば、建設コストの1割を占めます。
「手作業では多くのミスが発生します。見取り図のミスで建設会社が倒産したケースもあると聞きます。わが社は手作業を止めて、ロボットで正確に描くことで、ミスを防いでいます。」と、Dusty 社の共同設立者兼CTOであるPhilipp Herget氏は述べます。
Dusty社の FieldPrinterによって、ミスゼロで5倍のスピード
Dusty社は、図面を床に転写するタスクがプログラムされたロボットを導入することで、従来の手間のかかる工程を省くことに成功しました。ロボットFieldPrinterは、デジタルの図面を読み込み、壁や扉、配管、電気配線などのレイアウトを地面に転写します。これを人間の約5倍の速さ、16分の1インチ以下の精度で行います。
この技術革新により、建設業の作業は、デジタル化された製造業のように、一貫性、予測可能性、信頼性が高まるとともに、建築プロセスの中核を担う熟練職人の労働条件を改善することが出来ます。
「スケジュールを短縮できれば、建築スピードが上がります。建物の完成が早まれば、収益を早く上げることができます。『時は金なり』です。」とHerget氏は述べます。
Dusty社のロボットFieldPrinterの電源
(画像提供:Dusty社の自走式ロボット)
Dusty社のFieldPrinterは、さまざまな気象条件で長時間稼働するバッテリー駆動のモバイルロボットです。センサー、駆動モーター、モーター駆動部品、処理能力が高いプロセッサー、プリンターなど、さまざまな電子デバイスを搭載しており、それらを動作させるためには異なる電圧と電流が必要です。
Dusty社はこの課題を解決するため、ロボットの中核の電子機器の構築をOLogic社に依頼しました。OLogicは当初、ディスクリート部品で構成する電源を使いましたが、のちにVicor社が、ロボット用の、モジュールで構成する電力供給ネットワーク(PDN)を提案しました。OLogicは、Vicorの電源モジュールのような、高効率で放熱が有利で、動作範囲の広い電源を設計することは不可能だとの認識に至りました。しかも、Vicor のZVS 降圧レギュレータモジュールは200~300 ワットで97% の効率を実現しており、極めてコスト効率の高い製品です。
大容量バッテリーと最先端の電力変換技術を用い、デジタルモデルを基に、現場で拠り所にする唯一の見取り図を描くことで、Dusty社の新しいロボットは建設業界のデジタル化に貢献しています。建築家、ゼネコン、各業者はそれぞれが管理する紙の設計図で作業するのではなく、全員が床に転写された唯一の設計図をもとに作業するようになります。デジタルレイアウトの導入によりたくさんの業者間の調整が改善されます。計画と実行も改善され、仕事の完成が速くなります。
Herget氏は次のように述べます。「建設オートメーションのおかげで、人間はさまざまなことが出来るようになりました。昔はねじ回しを使いましたが、今は電動工具を使うので作業は格段に楽です。当社のロボットツールは、さらに良い成果を生み出すとともに、熟練職人の労働環境改善にも貢献し、建設業界のレベルアップを実現します。」
■ Vicorウェブサイトからもプレスリリースをご覧いただけます。
https://www.vicorpower.com/ja-jp/press-room/ologic
■ OLogic社の自走式ロボットソリューションについて詳しく解説 (Vicorウェブサイト)
https://www.vicorpower.com/ja-jp/resource-library/case-studies/ologic
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能なモジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。
詳しくは、Vicorウェブサイト: https://ift.tt/jSr41Zl をご参照ください。
OLogic社について
OLogic社は、開発と新しいアイデアに対する情熱を持つ設計者やエンジニアの集まりです。電子機器設計、組込みソフトウェア、機械・工業デザイン、量産のための低コスト設計について、専門知識を生かして顧客のニーズに応えています。
Vicor 株式会社 お問い合わせ先 :
Vicor 株式会社 マーケティングコミュニケーション
TEL : 050-2036-2025
メールアドレス : sales_VKK@vicorpower.com
Vicor KK ソーシャルメディア:
Twitter- @VicorKK
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