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楽天モバイルは、700MHz帯の商用サービスを開始した。いわゆる「プラチナバンド」と呼ばれる帯域の1つである。当初は2026年3月ごろからのサービス開始を予定していた。大幅に前倒ししてのサービス開始となる。一方で、具体的な整備計画は明らかにしていない。楽天モバイルのプラチナバンド活用はどこまで進むのだろうか。
2年前倒しで700MHz帯のサービスを開始
携帯電話会社にとって必要不可欠な電波。中でも、障害物に強く少ない基地局で広いエリアをカバーしやすいことから、とりわけ重要とされているのがプラチナバンドと呼ばれる1GHz以下の周波数帯である。
これまで携帯4社のうち、新規参入の楽天モバイルだけがプラチナバンドを保有していなかった。だが同社は2023年10月、空きのできたプラチナバンドの1つである700MHz帯の免許を獲得した。
この700MHz帯は帯域幅が3MHz幅と非常に狭いため、大手3社と並ぶ水準に達したとは言い難い。だが、同社のエリア拡大に大きく貢献するとして注目を集めたことは間違いない。
そして2024年、楽天モバイルはついにそのプラチナバンドの活用へと大きく動き出した。同社は2024年6月27日に記者発表会を実施し、同日から700MHz帯による商用サービスを開始したことを明らかにしたのである。
会場では、楽天モバイルの三木谷浩史会長兼社長が、700MHz帯の基地局を設置した東京都内にいる同社の社員とビデオ通話を実施。実際に700MHz帯で通信できる様子を示すなど、プラチナバンドの活用を始めたことを大々的にアピールしていた。
楽天モバイルは、700MHz帯の免許獲得の際に提出した開設計画で、サービス提供開始時期を2026年3月ごろとしていた。2年近く前倒ししたことになる。とはいえ免許獲得当初から、2024年にサービスを開始したいとしていた。このためこのタイミングでのサービス開始は、ある意味で計画通りともいえる。
都市部の「穴」をカバーするのが狙いか
では楽天モバイルは、700MHz帯をどのように活用しようとしているのだろうか。同社のプレスリリースによると、700MHz帯は残されたカバレッジホールを優先して、関東圏から順次拡大していくとしている。
同社によると、現在4G(第4世代移動通信システム)で使用している主力の周波数帯の1.7GHz帯では、電波が届きにくい場所が全国にいくつかあるという。そうした場所に700MHz帯の基地局を導入することで、電波状況を改善していくようだ。
ただ先にも触れた通り、楽天モバイルに割り当てられた700MHz帯は帯域幅が非常に狭く、高速大容量通信には適していない。一方で、楽天モバイルの料金プランはデータ通信が使い放題の「Rakuten最強プラン」のみであることから、700MHz帯に接続しているユーザーが大容量通信をすると、ネットワークがたちまち混雑してしまう恐れがある。
からの記事と詳細 ( サービス開始前倒しも整備計画なし、楽天モバイルの「プラチナバンド」はどうなる - ITpro )
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