0円プランの撤廃に伴う顧客流出で、一時は契約数の純減に見舞われた楽天モバイルだが、2023年は堅調に契約数を積み増している。
契約数は2023年7~9月期に35万の純増を記録、単月20万増も
契約数は2023年7~9月期に35万の純増となり、MNO契約数は512万まで拡大した(いずれも、BCP回線を除く数値)。10月の純増数は速報値ベースで19.2万となっている。
足元では、解約率が低減している点や、23年に入って本格的にスタートした法人契約の獲得が好調に推移している点が純増の大きな柱となっている。
加えて、新しいローミング契約に基づくネットワーク最適化の大半が完了する24年1~3月期以降には個人向けでも新たなマーケティング施策を投入し純増のさらなる加速を狙うという。
既に23年12月には、同社グループのサービスを利用するほど楽天市場における買い物時のポイント付与率がアップする「SPU」をモバイル契約者重視の内容に変更している。
このように顧客獲得において一定の成果が見えてきたことで、次の焦点はARPU(1契約あたり収入)に移行しそうだ。
データ通信量の伸びほどARPUが増えない状況に?
0円プランの撤廃後、ARPUは四半期ごとに100円超の上昇を続けてきたが、2023年7~9月期の増加幅は33円まで縮まった。
同社の「Rakuten最強プラン」は月間データ通信量に応じた段階制の料金体系を採用している。そのため、ユーザーの通信量が増えればARPUの上昇が期待できるはずだが、状況は異なるようだ。
そこで、ARPUとデータ通信量の推移をグラフにまとめてみると、確かに2022年はデータ通信量とARPUが揃ってきれいに上昇を続けている。しかし、23年に入ってデータ通信量の伸びにARPUが追いつかないように見える
「Rakuten最強プラン」は、月間データ通信量が20GB超ならその後のデータ量にかかわらず月額3278円で据え置きとなる。
つまり、下位プランから上位プランへのシフトが一巡し、データ通信量の伸びほどARPUが増えない状況に入りつつあることがグラフから窺える。
ARPUの上昇は楽天グループにとっての生命線ともいえる。「モバイル」セグメント営業損益は、設備投資の抑制などを推し進めているとはいえ、依然として四半期で800億円程度の赤字を計上し、綱渡りの状況が続いている。
楽天モバイルが単体でEBITDA黒字化するためには「800~1000万契約、ARPUは2500円~3000円」が必要とされており、早期のARPU上昇も迫られている。
同社は各種オプションの販売強化による上積みを進める構えを見せている。また、例えば「上位プランのユーザーにはSPUの特典をさらに増やす」といった、上位プランへシフトさせるための施策が打たれる可能性もあろう。
契約者数・ARPUの拡大によって、2024年末までの単月黒字化目標は達成されるのか、業界にとっても大きな注目点となりそうだ。
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