コロナ禍における子どもの家庭学習用として、全国の自治体が無償で貸し出している「モバイルWi−Fiルーター」のうち、少なくとも11万台余りが貸与されず余っていたことが、会計検査院の検査で分かりました。
持ち運びが出来るインターネットの接続機器、「モバイルWi−Fiルーター」の貸与事業は、コロナ禍をきっかけにオンラインでの家庭学習を進めようと、全国の自治体が文部科学省の補助を受けて購入し、子どもがいる家庭に貸し出しているものです。
貸し出しは無料ですが、通信料の負担は自治体によって異なります。
このうち令和2年度中に16億円余りの補助を受けて購入されたおよそ18万台について会計検査院が利用状況を調べたところ、少なくとも11万3000台余り、補助金にして10億2000万円余り相当のルーターが1年以上使用されず、余っていたことが分かりました。
使われなかった理由について自治体は、各家庭でネット環境が整うようになり、貸し出しの希望者数が想定より少なかったことやオンラインの家庭学習が進んでいないことを挙げていたということです。
会計検査院は文部科学省に対し、家庭学習以外の活用方法を検討するなど、対策を求めています。
文部科学省は「今後起きうる長期の臨時休校に備える目的もあるが、有効活用できる方法を検討して教育委員会に周知したい」とコメントしています。
新潟市は令和2年度に8100万円余りの補助金を受けて1万2000台のルーターを購入しましたが、その次の年度ではピーク時でも1000台余りしか貸し出されず、常に1万台以上が余っていました。
市は購入前に家庭向けのアンケート調査を行い、1万余りの世帯から「ネットの接続環境がない」という回答を得たため、1万2000台の購入を決めました。
しかしネット環境の整備などもあって利用は伸びなかったといいます。
新潟市教育委員会の丸山明生学校支援課長は「学習用のタブレット端末を家に持ち帰って使うことが増え、各家庭でWi−Fi環境の整備が進められたのが要因だと思う。今あるルーターについては、校外学習で使用するなど利用方法を考えていきたい」と話していました。
からの記事と詳細 ( モバイルWi−Fiルーター 全国で11万台余りが貸与されず|NHK 新潟県のニュース - nhk.or.jp )
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