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Wednesday, May 4, 2022

シリーズ「ひとりじゃない」 健康寿命後の人生を豊かに過ごす…リハビリの新たな仕組みづくりを目指す医師 - FNNプライムオンライン

seserpeer.blogspot.com

多様性を尊重する社会を目指して、様々な社会課題をみつめるシリーズ「ひとりじゃない」。
富山県内の男女の平均寿命と、自立した生活を送れる期間、健康寿命を比べると、その差は男性で9年、女性で11年の差があります。
健康寿命を終えた後、豊かに過ごすためにはどうしたらよいのか。
病気で障害を抱えた当事者とともに、リハビリの新たな仕組みづくりを目指す1人の医師の思いを取材しました。


金沢駅から車で20分ほどの山間に、去年10月にオープンした農家民宿「ととのや」で行われていたイベント。
プロの料理人を招き、参加者が里山で収穫した食材などを調理してもらい、旬の味覚を味わっていました。

*参加者は「こういう時間はいいね」「友達が(前のイベントに)参加していて、(今回)一緒に来た」「誰にも気兼ねなくいられるポジションがある」

この農家民宿やイベントを運営している1人が、富山市在住のリハビリの専門医、田邉望さん(38)です。

*田邉望さん「健康寿命を終えてからの時間は日本で約10年ある。その10年どうやって豊かに過ごすのか。大きな課題だと思う。健常者もゆくゆくは死ぬ前に障害者になる。多くの人をみとってきた医療者としての実感。障害を持っている人が楽しんでいる姿を、一緒に楽しめていると実感した時にすごく安心すると思う。自分が仮にそうなったとしても、楽しめるんだと。そこが(農家民宿を始めた)スタートだと思う」

「ととのや」は、専門医の指導のもと、山道を歩いたり、野菜を収穫するなどの活動を通じて、自然の中で楽しみながら「リハビリ」に取り組める農家民宿です。

*田邉望さん「(リハビリを)やることの目的があることが大事。なぜかというと(目的がないと)続かないから。1回だけやっても意味がない。作物を収穫する先に、調理をするとか一緒にご飯を食べるとか。共通しているのは『楽しい』ということがあることが、すごく大事なポイントになる」

金沢医科大学のリハビリテーション医学科で働く田邉さん。
リハビリの課題に向き合ってきました。

病院のリハビリは、主に、病気や事故で抱えた障害などによる体の機能や活動レベルの回復に向け、最長で半年と決められています。
退院後は、在宅でのリハビリになりますが、施設や人材等が不足していて、社会と関りながら前向きに取り組むことが課題となってきました。

その解決策の一つとして取り組む農家民宿。
きっかけは、田邉さんが医師として初めてうけもった患者、ととのやの宿守、深谷司さん(51)との出会いでした。
4年前、脳梗塞を発症した深谷さんは左半身にまひが残り、田邉さんは半年間、深谷さんのリハビリに寄り添いました。
しかし病院だけでのリハビリに限界を感じ、障害を抱えた当事者である深谷さんの声を聞きながら、楽しみながら取り組めるリハビリの新たな拠点づくりに着手したのです。

*ととのや 宿守 深谷司さん「「身体こうなった時に、見られるのも嫌だったし、しゃべることも嫌だった。でも、こういう場所を作ってくれると、しゃべれたりする。ここでやっているのは、自分でやらないといけないからやるというよりも、自然と体を動かしている感じ。みんなと一緒に作業しているときに、いつの間にか動いている感じ」

障害を抱えても送れる豊かさのある生活とは・・・

*田邉望さん「障害者に、より良いことをと考えているわけだが、往々にしてお仕着せなことになりがちだと思っている。そのときに彼(深谷さん)がいることで、確かめ合えるのは、ものすごく心強い。当事者と一緒に取り組むことが、ものすごく大事だと思う」

「ととのや」では、里山での「食」を通じて、退院後に取り組めるリハビリの機会をつくりたいと、定期的にイベントを開いています。
しかし2人の取り組みは、このような里山でできるリハビリだけにとどまりません。

コロナ収束後、旅をしながらリハビリに取り組める「リハビリツーリズム」の普及を目指し、街に繰り出し様々な体験を通してできるリハビリなど、障害によって奪われてしまう「体験の機会」の拠点となる施設を全国各地で増やしたいと、取り組みを始めています。

富山テレビ

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