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Saturday, February 26, 2022

原発事故後の健康 向き合い続け 宇都宮大でシンポ - 朝日新聞デジタル

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 【栃木】宇都宮大で24日、2011年に起きた東京電力福島第一原発事故後の健康に対する権利について考えるオンライン公開シンポジウムが開かれた。関係者や学生ら約50人が参加し、長期的な検診活動の重要さなどを語り合った。

 同大国際学部付属多文化公共圏センターの「福島原発震災に関する研究フォーラム」が、東日本大震災から11年を迎えるタイミングで企画した。

 原発事故によって放射性物質が拡散し、福島県とその周辺では多くの住民が被曝(ひばく)による健康影響について不安を抱えながら生活してきた。シンポジウムは、甲状腺検査を実施している市民らによる報告を受けながら進んだ。

 放射性ヨウ素は甲状腺に集まり、甲状腺がんのリスクを高める。フォーラム共同世話役で、栃木県内外で原発事故の被害調査を続けている同大国際学部の清水奈名子准教授は冒頭、「ヨウ素と放射性セシウムとはいずれも県境を越えて拡散した。長期的な検診が求められているが、福島県外では住民が希望しても検診が実施されていない地域が多く、健康に対する権利が保障されていない」と指摘した。

 日本基督教団東北教区放射能問題支援対策室いずみの服部賢治さんは「前回の検査で問題なくても、2、3年後に再度受けたらがんになっている人もいる。被曝(ひばく)線量を調べず机の上で考えるだけではなく、検診活動を通して一人ひとりの健康状態を確認することが大切」と語った。

 NPO法人いわき放射能市民測定室たらちねの飯田亜由美さんは「子どもたちの歩む道をよくしていきたい。大震災を知らない人たちも増えていくが、市民が問題提起をして、科学的に問題を解決していくことがこれからの日本に必要だ」と訴えた。

 関東子ども健康調査支援基金の木本さゆりさんは「教育の問題が大きい。子どもたちの教科書で福島原発事故の扱いが小さくなっているものもある。原発を抱える自治体には副読本があるが、原発事故の被害についてちゃんと教えてほしい」と強調した。中野渉

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