米ロサンゼルスの片田舎で夫と娘3人、鶏、豚、犬たちと自然に囲まれた生活を送る小田島勢子さん。創作料理のケータリングやプロアスリートの体作りのアドバイザーなど、さまざまな分野で活躍しながら発酵食品作りの講師も務め、腸活にも余念がありません。今回のエッセイは「私たちの体」をテーマに前後編の2回でお届けします。前編は「国の健康意識」についてです。 【写真・動画】キャンピングカーに乗ってワシントン州の森へ 家族で大自然を満喫! ◇ ◇ ◇
日本と米国 ダイエットの先にあるゴールの違い
今年も残すところ約2か月となりました。10月に入り北半球は秋模様。ここロサンゼルスでも朝晩は冷え込み、スーパーマーケットやショッピングモールに漂うパンプキンスパイス(シナモンやナツメグなどがミックスされたスパイス)の香りが秋の到来を感じさせます。 ハロウィンを皮切りに、年末まではサンクスギビング(感謝祭)やクリスマスと、これからの時期はパーティーや外食などで普段と違った豪勢な食事をする機会が増えます。体型の変化が気になる時期でもあり、そこで意識するのが「ダイエット」。日米と国を問わず、健康を意識する多くの人々にとって気になるトピックではないでしょうか。 経済的に豊かな国は飽食の時代でもあり、人生の中でダイエットをした経験がある方は多いかと思います。私は縁があって米国で暮らしていますが、日本とこの国ではダイエットに対するとらえ方が異なる印象を受けました。 それは痩せた先に設定される“ゴール”の違いです。日本では今よりも素敵になりたいと“美容”を意識するのに対し、米国では病気を防ぐ、あるいは病気を進行させない“健康維持”が重視されます。
コロナ禍で米国の街並みにも変化が
どちらも「現状からの変化を目指す」という点で素晴らしいことですが、ダイエットならではのリスクもあります。日本では“美容的なゴール”が意識されるあまり、成長盛りの若者たちが栄養不足で骨粗しょう症や生理不順などの健康問題を抱えているのも事実。一方で米国は、ダイエット以前に普段の食事や運動不足などが招く肥満率の高さが問題になっていて、世界から“肥満大国”と呼ばれています。 しかし日本ではここ数年、ジムなどのフィットネス施設が多くなり、筋トレでの体型維持を目指す人も増えてきているようです。特に30代以降の健康や体型維持の方法、考え方は米国と近いものになりつつあるように感じます。 ここロサンゼルスは、国内でも健康志向の人が比較的多いため、最新のサプリや健康食品の情報が常にあふれています。しばらく見ないうちに、コロナ禍でつぶれた大型店舗が新しいジムになっていることもしばしばです。 また、コロナ禍で室内営業が制限されたこともあり、自転車やトレイルランニング、ウォーキング、ランニングをする人々も増え、自転車は現在も品薄状態だといいます。
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