年収と健康には因果関係がある――近年、さまざまな研究によってそんな事実から明らかにされてきた。格差が広がる日本でも問題視され始めた「健康格差」が今、新型コロナの影響で深刻化している。残酷なまでに広がりだした“命の格差”の実態に追る。今回は1000人調査で判明した世帯年収300万円と1000万円の「健康意識」の違いを比較する。 ⇒【1000人調査結果の詳細】世帯年収300万円と1000万円の「健康意識」の違いを比較
1000人調査!年収別「健康意識」の違い
健康格差を生む要因のひとつである収入。この差でどのような意識の違いが出るのか。SPA!は今回、世帯年収300万円以下の男女500人(40~59歳)と、世帯年収1000万円以上の男女500人(同)に健康に関するアンケートを実施。同じ質問を2グループにしたところ、医療に対する意識や生活習慣に大きな違いがあることがわかった。
健康診断を受ける頻度がまるで違う
まずはQ1「健康診断や人間ドックを受ける頻度」についての結果だ。300万円以下だと43%が1年に一回も健康診断を受けておらず、5人に1人が「一度も受けたことがない」と答えた。 対して1000万円以上では、実に86%が1年に一回以上は健康診断を受けている。 この結果に対して、「年収300万円以下だと非正規で働く人も多いはずで、就業環境が大きく影響しているのではないか」と分析するのは、健康格差について長年研究を続ける千葉大学教授の近藤克則氏だ。 「きちんとした健康診断を受けようとなると半日がかりだし、そもそも多くの検査をするには費用がかかります。正社員で会社からサポートされて受けるならまだしも、非正規の人の場合、実費負担だと数万円はするのでハードルが高い。5人に1人が未受診なのは、氷河期世代などで社会に出てからずっと非正規雇用が続き、健康診断を受けられる環境になかった可能性が考えられます」
金銭的な問題で病院の受診を控えたことがあるか?
Q2の「金銭的な問題で病院の受診を控えたことがあるか」という質問でも顕著な差が出た。世帯年収300万円以下の場合、「病院には行かないようにしている」(20%)、「金銭的な理由で控えたことが頻繁にある」(14%)、「何度かある」(23%)、「定期通院をやめたことがある」(7%)となり、お金がネックで受診を避けたケースが合計64%にもなった。一方で、世帯年収1000万円以上では、75%が「体調不良を感じたら必ず通院する」と答えている。 「非正規雇用者の場合、一日休むとその日の給料がなくなってしまうというケースも考えられます。将来の健康よりも目先の収入のために仕事を休めないという事情もあるのでしょう」
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