子どもの「自画撮り被害」を防止する機能を搭載したトーンモバイルの「TONE e20」は、そのキャッチーさもあって、大きな反響を呼んだ。撮った写真は、端末上に実装されたAIが判断し、裸や下着と思われる場合に警告を表示。同時に親の端末には、フィルターのかかったサムネイルで通知を出す仕組みだ。トーンモバイルによると、先代の「TONE e19」と比べ予約数が6倍に達し、増産も行ったという。子どもや高齢者に特化したトーンモバイルの戦略が、社会情勢とマッチした格好だ。 不適切画像と判定された例 好調のTONE e20だが、MVNOを取り巻く事業環境も大きく変化している。大手各社が分離プランを導入したことで、流動性が落ち、MVNO全体の成長が鈍化。トーンモバイル自身も、2019年12月にCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)を離れ、フリービット傘下のDTI(ドリーム・トレイン・インターネット)に移管されている。freebit mobileが原点のトーンモバイルにとって、いわば“復帰”した形となった。 こうした変化は、トーンモバイルの事業にどういった影響を与えたのか。TONE e20の開発背景や、DTI移管後の同社の戦略を、フリービットの代表取締役社長CEO兼CTOを務める石田宏樹氏に聞いた。
技術で不適切画像を排除できないか
―― TONE e20に搭載されたTONEカメラですが、自画撮り被害防止機能のインパクトが大きく、注目度も高かったと思います。なぜ、この機能を搭載することになったのでしょうか。 石田氏 トーンモバイルは、基本的に安心、安全をベースにしています。TONE e20も、そこにフォーカスしました。ハードウェア的なところでは、CPUスペック、カメラの数、メモリといったベーシックなところをアップデートしつつ、プラスアルファとしてAIを駆使しました。その中で特徴的な機能として、モノを認識できるところの開発を進めていました。今回は、それを使って不適切画像を排除するということをやっています。 TONEカメラは、1年半ぐらいかけて開発した機能です。情報セキュリティの啓発活動をやってきた工藤(陽介)という事業部長がいますが、その中で警察からも「技術で何とかならないのか」という声をいただいていました。 ただ、処理をクラウドでやるのか、エッジでやるのかで大きく異なります。画像自体を僕らが(クラウドで)持ってしまうと、個人情報の問題もあります。僕らとしては、どうしてもエッジ側で処理したかったこともあり、時間がかかりました。 ―― それは、開発が難しかったのか、端末スペックが追い付くのに時間がかかったのか、どちらでしょうか。 石田氏 両方です。先行してやっていたところがなく、自分たちで検証しなければいけないことも多かったですね。TensorFlowを処理するチップがないと難しいのではと思っていましたが、最終的にはアルゴリズムの工夫で動画まで判別することができました。もともと、写真だけなら何とかなると思っていましたが。特許申請中なので詳しくはお話できませんが、統計を使って、うまく情報を間引くような処理をかけています。 ―― ソフトウェアで実現していますが、過去に発売した機種への対応は、どうされるのでしょうか。 石田氏 確かにソフトウェアなので、CPUスペックが足りれば何とかすることはできます。実際、1つ前の端末(TONE e19)までは、ギリギリいけたので、既にTONEカメラに対応させています。
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June 22, 2020 at 09:38AM
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自撮り被害を防ぐカメラの反響、トーンモバイルがフリービット傘下に戻った理由は? 石田社長に聞く(ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース
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