それはなんの前触れもなくやってきた。そう、ZTE製折りたたみスマホ「Libero Flip」の発表だ。キャリアはワイモバイルで、価格は6万3000円だという。しかも条件によっては3万9800円だというから、本当に驚いた。
しかも、購入すればもれなくCasePlayのリング付きLibero Flip専用ケースをもらえるという。2000種類以上のデザインから選べるとのことなので、むしろ選ぶほうが大変なのではないかと思うほどだ。
そんなわけで、発表のあった2月19日夜にすぐさまワイモバイルオンラインショップで“機種変更”で予約した。変更前の機種はバイク用ナビとして活躍してくれていた「Libero 5G III」だ。
Libero Flipは、Galaxy Flipシリーズと同じような縦方向に開いたり閉じたりするタイプの折りたたみスマホだ。閉じたときは約76×88×15.5mmと女性のメイク用品のコンパクトサイズ(まさに!)で、開けば6.9型のディスプレイが現れる。
ディスプレイはフルHD+(2790×1188)のAMOLDディスプレイ。折りたたんだ状態でも使えるサブディスプレイは円形で、こちらは直径が1.43インチとなっている。
バッテリー容量は4310mAhで、前述のLibero 5G III(4120mAh)より若干容量アップしている。
名前を出したついでに比較すれば、ストレージ容量は128GBで倍増だが外部ストレージ非対応、メモリーは6GBで1.5倍増し、カメラの有効画素数はメインレンズで約1300万画素から約5000万画素にアップしているだけでなく、被写界深度専用カメラも搭載した。
あまり使うことはないが、サブカメラ(インカメ)は約800万画素から約1600万画素へアップした。指紋認証は画面内ではなく、電源ボタン一体型となっており、そのほか顔認証にも対応しており、使い勝手が良い。
2月29日に実機が届き、約3週間ほど使ってみたが、「なかなかいい」という印象だ。
折りたたみ(フォルダブル)スマホといえば、以前、「Galaxy Z Fold 3 5G」を愛用していたのだが、実のところ、サブディスプレイの利用がメインで、開いてメインディスプレイを使うことはほとんどなかった。取材時にメモを取るのにあの大画面がとても良かったのだが、電車の中などでつり革につかまった状態では、Sペンどころか、片手で操作するだけのこともできなかったからだ。
もちろん、折りたたみゆえ得られる恩恵はたくさんあった。取材時に三脚やスタンドがなくても、テーブルの上に直角に曲げたGalaxy Z Fold 3 5Gを置いておけば安定した動画を撮れたし、三脚やスタンドがなくても「製品を使っているわたし」の写真を、誰にも頼らずに撮影できた。
だからこそ、折りたたみスマホを「また使いたい」と思ったし、それでも「高くて、もう手が出せない」という葛藤もあった。
そこへ、6万3000円という、ハイミドルレベル程度の価格で購入できる折りたたみスマホが登場したのだから買わないわけにはいかない。
折りたたみスマホで気になるのは、「折り目が目立つのか」、「折りたたんだときにスキマができるのか」、「どのくらいの角度までその状態を保持できるのか」といったところだろう。
折り目については、目立つような目立たないような、という印象だ。ディスプレイがオフになっている状態ではそれなりに目立つが、オンの状態ではほとんど気にならない。
折りたたんだとき、Galaxy Z Fold 3 5Gではヒンジ側にスキマがあったのだが、Libero Flipではほとんどスキマが見られなかった。
パタンと閉じてしまう、あるいは開いてしまうことのない、保持できる角度は、公式では60~110度となっており、最新の「Samsung Galaxy Z Flip5」の75~115度と比べてしまうと見劣りがする。
バイク用ナビとして使うことはできないが、動画・写真撮影や動画視聴などに便利そうなLibero Flip。しばらくは楽しめそうだ。
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