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Sunday, February 4, 2024

法令改正は転売ヤー対策でいい効果/ネットワーク品質トップに自信 KDDI高橋社長(1/2 ページ) - ITmedia Mobile - ITmedia Mobile

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 KDDIは2月2日、2024年3月期第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比2%増の4兆2655億円、営業利益は同0.4%増の8,479億円で増収増益だった。楽天モバイルに対するローミング収入が400億円の減少となったが、DXや金融、エネルギーといった注力領域がプラス成長となり、増益につながった。高橋誠社長は、「着実に増益幅を拡大しており、通期2桁成長を目指す」とコメントした。

KDDI KDDIの高橋誠社長
KDDI 冒頭には能登半島地震の復旧活動の状況も説明された。
KDDI 鹿児島県に配備されていたという車両型出張auショップを能登半島に派遣してショップニーズにも対処している

ネットワーク品質は3月末に一気に改善、品質ナンバー1を目指す

 KDDIの主力である通信事業では、au、UQ mobile、povoのマルチブランドで展開しているが、それらのマルチブランドARPU(1ユーザーあたりの月間平均収入)収入は第1から第3四半期までは前年と変わらないレベルだったが、第4四半期には増収見込み。付加価値ARPUを含めた総合ARPU収入では4924億円と増加トレンドを継続した。

KDDI 第3四半期の業績ハイライト

 ただ、通信ARPU収入自体は70億円のマイナス。さらに楽天モバイルのローミング契約解消に伴い600億円の減収予想だったローミング収入が、契約刷新で400億円減まで縮小したものの、グループMVNO収入と楽天ローミング収入が310億円の減少となった。

KDDI 営業利益の増減要因として楽天ローミング収入の影響は大きいが、注力領域で盛り返した
KDDI マルチブランドARPU収入は増加トレンド

 成長戦略としては、通信ARPU収入を拡大するためにauの魅力をさらに高める施策を打ち出し、UQ mobileを含めてデータ利用を促進して、より上位のプランへの移行を促す。ネットワーク品質の向上も図ってARPU収入増につなげたい考え。同時に、金融サービスとのセットプランであるauマネ活プラン、エネルギー事業のauでんき、エンタメ・スポーツ分野とのセットであるALL STARパック2といった付加価値サービスも強みとして、総合ARPUやライフタイムバリューの最大化を狙う。

KDDI 成長戦略としては、通信単体だけでなく付加価値サービスの両輪で拡大を目指す

 ベースとなるユーザーを示すマルチブランドID数は、期初予想の3100万を12月末に前倒し達成。UQを中心に新規契約が増加したことに加え、auからUQへの移行比率が低下したことで通信ARPUの向上が期待できる。

KDDI ARPUの高いauユーザーの拡大による成長を目指す

 auの機種変更時は8割超が使い放題プランを選択し、UQは7割超が中大容量プランを選択しているとのことで、通信ARPUの増加トレンドをけん引。付加価値ARPUは、補償サービスや金融・決済事業が順調だった。

 スマホ1台あたりのデータ量が2019年12月比で約2.5倍になり、使い放題プランへのニーズが高まっているなか、金融・決済サービスと連携するauマネ活プランが「大変好評で、好調に加入者を増やしている」(高橋社長)。こうした通信と付加価値のセットサービスを拡充することでauの魅力化を図り、ARPU増・解約率の低下を目指す。

KDDI データ容量のニーズと資産形成のニーズそれぞれに対応したauマネ活プランが順調

 魅力化として、ネットワーク改善も重視する。総務省に提出した5G基地局の開設計画の最終年として、2024年3月末には約9万局に達する見込み。特に2024年度にはSub6の基地局数が3.4万局に達する見込み。3.7GHz帯を使うSub6では、衛星放送などの電波と干渉するため、出力を抑えて利用していた。

KDDI Sub6エリアの大幅拡大で5Gの本領が発揮されるように

 これに対してスカパーJSATと協力して3月末には干渉がなくなるため、出力を上げることが可能になる。これによって「Sub6のエリアがかなり広がる」と高橋社長。既に関西エリアで実績があり、関東エリアでも5GのSub6エリアが大幅に広がるという。これによって「トップクラスで品質がよくなり、品質ナンバー1を目指したい」(高橋社長)。

 ミリ波に関しては、開設計画で1万2756局を開設予定で、計画通りの進捗(しんちょく)だという。ただし、「ミリ波は非常に使いにくい」(同)ため、使い方を工夫していこうと検討を進めているという。ミリ波対応端末が増えることも重要であるとして、端末販売に対するインセンティブを総務省会合でも検討したい意向を示す。

 衛星通信のStarlinkもさらに活用を進める。能登半島地震でも活躍したことから、個人の防災対策のニーズに対応するためauショップでの取り扱いも行う。2024年中にはStarlinkとスマホの直接通信も可能にする予定で、既にSpaceXは対応衛星を6基打ち上げ済みで、「通信試験も無事に成功したと聞いている」(同)そうだ。

KDDI Starlinkもさらに注力していく

 金融事業は、営業利益が前年同期の140億円から262億円と87.7%という大幅増。決済・金融取扱高も10.5兆円から12.9兆円と23.3%増となり順調に拡大している。au PAYカード会員は920万まで増加。ゴールドカード会員数はさらに48.6%増となる107万まで拡大。au PAY会員数は3,438万となるなど、順調に拡大した。

KDDI 会計処理の変更影響を除くと、利益や取扱高は大幅な増加
KDDI クレカ事業も好調で、マネ活プランとのシナジーが出ている

 新たにKDDI BUSINESSとブランドを刷新した法人事業も順調。IoTとコネクティビティデータセンター事業がグローバルで拡大しているということで、特にデータセンター事業では「積極的に投資を進めていく」(同)考えだ。

KDDI 法人事業も順調で、新ブランドでさらなる成長を目指す

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