楽天モバイルと米ASTスペースモバイルは16日、2026年中に人工衛星とスマートフォンを直接つなぐ通信サービスの提供開始を目指すと発表した。すでに商用化されている衛星を介した通信サービスは専用アンテナなどが必要だが、楽天のサービスは既存のスマホ端末で通信できる。基地局のないエリアでの通信も可能で、国内全域がカバーできる。音声通話だけでなく、ビデオ通話も可能だという。
楽天モバイルの三木谷浩史会長とAST社のアーベル・アベランCEOが16日、東京都内で記者会見を開き、明らかにした。三木谷氏は「物理的な面積のカバー率を100%にしていく」と述べた。
衛星とスマホの直接通信を巡っては、衛星通信サービス「スターリンク」を運営する米宇宙企業「スペースX」が今年1月、業務提携するKDDIのスマホと直接通信できる衛星の打ち上げに成功。年内にもショートメッセージなどの送受信サービスを開始する予定となっている。
衛星とスマホを結ぶ通信では、衛星からの電波は出力を上げることで地上に到達する半面、スマホからの電波は弱い。ダウンロードができてもアップロードが難しいため、現在国内で提供されているスターリンクのサービスは衛星とスマホの間に専用アンテナを挟むことで通信している。
楽天モバイルは23年4月、市販のスマホを使って人工衛星を経由した音声通話に世界で初めて成功していた。【道永竜命】
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