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総務省は携帯電話の通信料金と端末代金の完全分離をはじめとした施策の効果や課題を検証する有識者会議を継続的に開いている。2023年12月27日に実施したスマートフォンの値引き規制の強化も同会議の議論を受けたものになる。同会議では次の展開に向けた議論が始まっており、2023年12月の関係者ヒアリングで楽天モバイルがモバイル市場の競争促進策として提起した案が業界で話題を呼んでいる。
その案とは「新規参入事業者の通信サービスを気軽に体験できる環境の実現」である。新規参入事業者への乗り換えには不安があるため、気軽に試せる環境を実現すれば競争の活発化を見込めるというものだ。もちろん、新規参入事業者とは楽天モバイル自身のことであり、規制の緩和を訴えた。具体的には、値引き規制の対象の見直しだ。
実は2023年12月27日の制度改正でも規制対象の見直しがあり、携帯大手の特定関係法人ではない独立系のMVNO(仮想移動体通信事業者)については指定対象とするシェアの基準を0.7%から4%(約500万人)に引き上げた。この結果、インターネットイニシアティブ(IIJ)とオプテージが値引き規制の対象から外れた。楽天モバイルはこの基準をさらに見直し、携帯大手とMVNOの区別なくシェア10%以上にすることを提案した。自らを規制の対象外にするためである。
興味深いのは、規制の対象外になっても過度の端末値引きなど規制の趣旨にそぐわない施策は実施しないと楽天モバイルが宣言したことだ。では、一体何をしたいのか。同社がヒアリングで例示したのは、(1)30日間有効の無料お試しSIMをエリア限定で配布、(2)6カ月間の通信サービス無償体験または全額ポイントバック、(3)新規契約者限定で合計3万円分のポイント付与、の3つである。自らの手の内までさらして懇願するケースは珍しい。
これらはスマホ値引き規制と関係なさそうに見えるが、総務省によると「(2番目の)全額ポイントバックはやり方によって実現できる可能性があるが、(現行制度では)いずれも提供できない」(料金サービス課)という。
からの記事と詳細 ( 楽天モバイルが総務省会合で「わがまま」な提案、試用キャンペーンは実現するか - ITpro )
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