KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが、Xの公式アカウントでNTT法廃止に関する意見を投稿した。内容は3社とも同じく以下の通り。
NTT法のあり方についてSNSでも議論が高まっています。NTT法廃止の場合、主に3つの懸念があります。NTT法で担保されている国民の利益が損なわれないようにすることが重要です。日本の未来のために、拙速な結論とならないようにオープンな場での丁寧な議論が必要です。
NTT法が廃止された場合、以下の3点が懸念されると3社は訴える。
- 国費で作られた光ファイバー網を完全民営化が進んだNTTが独占するとともに、NTTグループの一体化、強大化が進むことで、競争が停滞する懸念
- (不採算地域で)NTTのサービス撤退が可能になり、地方などのサービス維持ができなくなる懸念
- NTT株式の多数を外国が保有することで、通信インフラの安全保障を損なう懸念
また、KDDIの高橋誠社長は、この投稿を引用する形で、自身のXアカウントで以下の投稿をしている。
3社公式アカウントでNTT法廃止について意見投稿しました。そもそも防衛財源の話がなくなったのであれば、NTT法を廃止する必要があるのか?
電気通信行政の長である総務大臣が「NTT法廃止ありきではない」とご発言されたことは大変意義深い。
国民の利益に影響を及ぼすため是非オープンな議論を。
NTT法を巡っては、廃止すべきとするNTTと、廃止には断固反対だとする競合3キャリアで真っ向から意見が分かれており、XでもKDDIの高橋社長、ソフトバンクの宮川潤一社長、楽天グループの三木谷会長が意見を投稿。さらに、三木谷氏の「『NTT法を廃止』して、国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない」という投稿に対して、NTT広報室が「保有資産は最終的には株主に帰属するのでこの主張はナンセンス」と異例の反論を行い、先行きの見えない事態に陥っている。
NTT法の在り方については、自民党内のプロジェクトチームで議論が行われているが、詳細な内容は公表されていない。NTTやその他通信事業者を交えた議論は行われておらず、総務省がその陣頭指揮を執るといった動きも見られない。果たして「オープンな議論」は実現するのだろうか。
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