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永山悦子 毎日新聞 論説委員
毎小の皆さんは、毎日どれくらい寝ていますか?
日本の子どもは世界に比べ、睡眠時間が短いことで知られています。アメリカの睡眠医学会は、6~12歳は9~12時間の睡眠をとるよう勧めています。ところが、日本の小学5年生で9時間以上寝ている人は4割もいません。
睡眠には、体や心を休ませる働きがあり、子どもの場合は成長を促すホルモンが寝ている間に分泌されます。
睡眠が足りなくなると、さまざまな問題が起きます。肥満になりやすくなり、うつ病になる危険性が高まります。記憶力も下がります。大学生を対象にした研究では、徹夜で勉強した人たちと、きちんと睡眠時間をとった人たちを比べたところ、記憶がよく残っていたのは睡眠をとった人たちでした。テスト勉強のために夜遅くまで起きていることが、実は逆効果になっている可能性が高いのです。
子どもたちに睡眠の大切さを知ってもらおうと、理化学研究所と東京大学の研究グループが「子ども睡眠健診プロジェクト」を進めています。腕時計のような機器をつけ、睡眠の状態を測定します。2025年度までに5万人分のデータを集め、結果を本人に伝えて睡眠を見直してもらう計画です。
健診を受けなくても、今日からできることもあります。就寝の1時間前になったらスマホやゲームを見ないことです。スマホやゲームの画面からは「ブルーライト」と呼ばれる光が発せられています。この光は、人が眠くなるホルモンの分泌を抑えてしまいます。
通常は、午前中から午後3時ごろまでの分泌は低く、夕方から増えます。その結果、自然に夜は眠くなるのです。ところが、夜にブルーライトを発する画面を見ると、ホルモンの分泌が止まってしまいます。
特に、布団にもぐって目の近くで見ると、影響が大きくなります。夜に寝られなくなり朝寝坊が続くと、学校に行くのもおっくうになります。成長にも記憶力にも欠かせない良い睡眠のため、まずは寝る前のスマホやゲームをやめることから始めてみませんか。
数学と理科が苦手だった科学記者です。医療や宇宙探査などの取材を通して、科学の面白さを学びました。旅行と自然が好き。両方楽しめる山歩きによく出かけます。1968年東京都生まれ。
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