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Wednesday, February 22, 2023

【堀江貴文さん×ママ・第5回】「月経困難症など女性特有の健康問題は社会全体で取り組むべき」 - ママスタセレクト

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前回からの続き。月経痛やPMS、更年期症状など、自身の健康問題が理由で「仕事がしづらい」と感じた経験はありますか? 「生理痛などで仕事を休んだり、病気が原因で離職する女性も多い。この健康問題は女性だけじゃなく社会で考えるべき」と語るのは、実業家の堀江貴文さん。産婦人科医・三輪綾子さんとの共著『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』(青志社刊)を出版しキャンペーンを開催するなど、支援活動にも積極的。今働いているママはもちろんのこと、離職したり、これから働きたいと思っているママたちに伝えたいこととは?
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女性の社会進出が遅れているのは健康上の問題が大きく関わっている

――堀江さんは、女性の健康問題についての支援活動をされているそうですね。これはどのような活動ですか?

堀江貴文さん(以下、堀江さん):僕が理事をやっている「一般社団法人 予防医療普及協会」では、産婦人科医の三輪綾子さんと一緒に、女性の健康問題についてもっと社会に知ってもらうという活動をしています。たとえば、女性の月経困難症や更年期など、ホルモンバランスの問題を抱えている女性の活動を支援するといった活動です。

――なぜ女性の健康問題について取り組もうと思われたのでしょうか?

堀江さん:女性の社会進出が遅れているのは健康上の問題が大きく関わっているから。そしてその女性の健康問題について、男性から理解されづらいのも問題だと思います。

――どういうことですか?

堀江さん:たとえば月経困難症などの問題を抱えている人は、会社を休まなければいけなかったり、決まった時間に決まった場所に出社をするみたいなことに耐えられなかったりするんですね。さらに仕事の質がいつもよりも低下することもあります。社会的にはまだそれほど認知されていないけど、健康上の問題を抱えたまま働いている女性はいます。
月経困難症など女性特有の健康問題は社会全体で取り組むべき

社会で取り組めば女性の離職率が減り業績アップに

――言い出しづらくて我慢している女性は意外と多いんじゃないかと思います。

堀江さん:つまり、本人のスキルがないわけではなく、単純に体の問題で仕事のクオリティが下がっている人もけっこういます。そういう人たちもピルなどの薬を飲むことで体調が改善するならそれを使っていいと思うんです。

産婦人科医の中には「なぜピルなんて飲むんだ。そんなにゴムなしでセックスしたいのか」と言う人たちもいますよ。でも、そうじゃないでしょ。女性からしたら、生理痛がひどいから少しでも症状が軽くなるようにと思ってピルを飲む人もいるわけじゃないですか。

――改善したら仕事上のパフォーマンスは上がりそうですね。

堀江さん:今までは、月経困難症などの問題は、女性の個人的な問題だと考えられていたんです。でも、そうではなくて社会的な課題として、男性もこの問題に対して理解し一緒に取り組んでいく必要があります。きちんと取り組めば、これまでは健康上の問題で仕事を辞めざるをえなかった人も仕事を続けられるし、会社としても離職率が下がり、逆に業績が上がるところも出てくると思いますよ。

男性社員も巻き込んでセミナーを開催

――女性たち自身にもできることってありますか?

堀江さん:ありますよ。たとえば女性の健康問題について社会的に普及させる活動をするとか。たとえば働いてる会社の社長や上司に提案して、男性社員も集めてセミナーを開催するとか。

――ただ、男性がこういったセミナーに参加しますかね?

堀江さん:参加させるんですよ(笑)。女性は自分の身体の問題なのでよくわかっていると思いますが、男性社員は女性社員がこんなに困っているということを知らない人も多いと思うんです。

女性が月経困難症で会社を1週間休んだとしても「あの人はよく休むな。やる気がないのかな」と思ってしまうんですよ。「健康上で仕事を休んでいる人だけの問題」にしないで、こういう女性が社内には何人もいて、この問題をどう解決するべきかを、男性も女性も考えることが必要です。

保健体育の授業で子どもたちに伝えたい

――「こう伝えたらうまくいった」という成功事例はありますか?

堀江さん:まだこれからですかね。2022年の6月に産婦人科医・三輪綾子さんとの共著で『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』(青志社刊)という本が発売になったんですよ。それをもとに今キャンペーンをやっているんですが、それを見た人から「うちでもやってください」というのが、少しずつ出てきた感じですかね。

もうちょっと地道に時間をかけてやらないとなかなか普及していかないので。ただ以前行った活動では政治家などを巻き込んでやったのがうまくいったので、そこで実績ができました。また政治家の方たちとのつながりもできて、いろいろ協力していただいています。連携をとって国全体で広げていこうと活動することで予算がつくので、セミナーなどが開催しやすくなるんですよね。

―――学校の保健体育などの授業でやるのもよさそうですね。

堀江さん:ある一定の数を超えると一気に世間の認知度が上がると思いますよ。
文科省に、学校で生徒にも伝えるように提案するとか。我々で医療のチームを作って、動画を保健体育の時間に流すこともできます。真面目な話を、いかにおもしろく伝えるか。それができたら、生徒たちは自然と動画に引き込まれますよ。これを教材として、中学などで伝えればもっと認知度が上がってくると思います。

これまでは、月経困難症など女性特有の病気は個人の問題だと思われていたわけです。でも、それが社会的な問題だとみんなが気づいたら、大きく変わってくると思うんです。また、これまでだったら会社を休みがちで辞めざるをえなかったような女性も、会社の制度や仕組みを変えることで仕事を続けられるようになってきます。それによって女性の生産性が上がり、企業にとっては利益が増えて、お互いにとってすごくプラスになると思います。

編集後記

女性に限りませんが、健康上の問題を「自己責任」と捉え、自分ひとりで解決しなければならないと考える人は多いような気がします。しかしスキルも実績もある人が、それを理由に仕事を離れるのは、企業としても損失が大きいですよね。また会社側に理解があれば、子育てがひと段落ついたママたちが再就職や転職を考える際も、安心して一歩を踏み出せるのではないでしょうか。女性の健康問題には、これまで女性自身が率先して取り組んできた印象がありますが、これからは男性も一緒になって社会全体で考えていく時代。自分たちの働きやすさだけでなく、これから大人になる子どもたちにどういう社会を手渡していきたいのか、という視点で取り組んでいきたいテーマだと感じました。

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取材・北川麻耶 文・間野由利子 編集・Natsu イラスト・よし田

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