神奈川県は十二日、新型コロナウイルスに感染した自宅療養者全員に実施していた無料通信アプリ「LINE」による健康観察の対象を、高齢者などの「重点観察対象者」に九日から限定したと明らかにした。同日、県内医療関係者や保健当局者が集まる感染症対策協議会で説明した。(志村彰太)
県は自宅療養者らに、体調の変化を問うメッセージをLINEで毎日送っていたが、事務負担軽減のために対象を絞った。重点観察対象者は「二歳未満か六十五歳以上」「二〜六十四歳で基礎疾患のある人」など。さらに今後、この健康観察を廃止する案も示した。
県によると、LINEによる健康観察で療養者の異常を察知した事例は少なく、多くが専用ダイヤル「コロナ119」による連絡で入院などをしており、専用ダイヤルに対応を集中したい考え。ただ、少数でもLINEで体調悪化を訴える人はいる。発話が困難な人にとってLINEはSOSを発信する生命線でもあることから、廃止に伴う代替手段も検討する。
また、重点観察対象でない感染者については、詳しい症状やワクチン接種歴を把握するのをやめたという。このため、新規感染者の発表で症状を「調査中」とするケースが増えている。
協議会では他に、これまで保健所が担ってきた患者の入院先調整を医療機関同士の連絡に委ねる案、患者の搬送・移動に民間救急車を使うのをやめ、患者が自家用車で移動するよう変更する案などを説明した。
阿南英明・医療危機対策統括官は「対応の移行は、あまり急ぐべきではないと考えている。関係機関との調整、県民の不安払拭(ふっしょく)など、コンセンサス(合意)が重要だ」と話した。案は修正を加え、準備が整った項目から移行するという。
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