那賀町の木頭地区に来春、キックボクシングジムを中心とした複合健康施設がオープンする。およそ1000人が暮らす地区の高齢化率は60%。キックボクシングとは不釣り合いな地域に思えるが、施設を手がける事業者は、高齢者も楽しむことができるプログラムも用意し、新たなにぎわいの拠点にしたい考えだ。(坂下結子)
地区出身で、電子書籍取次大手「メディアドゥ」(東京)の藤田恭嗣社長(48)が代表を務める「KITOデザインホールディングス」などが、西宇神社の境内に整備を進めている。
地元産の杉を使用した2階建てで、延べ床面積は約470平方メートル。2階部分を同時に20人以上が運動することができるキックボクシングジムにする計画だ。
格闘技「K―1」で活躍した小比類巻貴之さんに師事したトレーナーが指導。小比類巻さん本人によるトレーニングやオンラインの講習会も予定されている。ウェートトレーニングやヨガができるスペースにもなるという。
KITOデザインホールディングスは「村をデザインする」という視点で、木頭地区の自然や文化、人といった魅力を高める活動に取り組んできた。
これまで、「四国のチベット」とも言われる雄大な自然を楽しむことができるキャンプ場「キャンプパーク木頭」や、「世界一美しいコンビニ」として有名になった「未来コンビニ」をオープンさせ、地区外から集客することに成功した。
那賀町によると、地区の住民は1026人(3月末時点)。65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率は59・5%にのぼる。
今回、こうした地区にキックボクシングジムを整備する理由について、トレーナーを務める平川雅大さん(45)は「若者のスポーツというイメージがあるキックボクシングだが、普段使わないような筋肉を使ったり、バランス感覚を養ったりすることができる。軽快な音楽に合わせたフィットネスもあり、高齢者の皆さんにも仲間と一緒に体を動かすことの楽しさを感じてもらえるはず」とアピールする。
施設は来年2月に完成する予定で、1階には地区住民が集えるように囲炉裏のあるカフェスペースのほか、バーベキューエリアも設ける。
地区には土砂災害の警戒区域も多く、災害時には避難所として利用することができるよう食料や毛布なども備蓄するという。
キャンプ場に来た客がキックボクシングを体験できるプログラムも計画しているといい、平川さんは「地区にある他の施設とも連携し、地域全体を盛り上げたい」と話している。
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