【ニューライフ~これからの社会】
イチゴのショートケーキ、抹茶のミルクレープ、ショコラフレーズ-。色とりどりのケーキは全て豆乳や豆腐、ココナツオイルなど植物性の素材のみ。パティシエの草野育史朗さん(51)=熊本市北区植木町=が、住宅地に構えた約10畳の工房で作っている。
草野さんが動物由来の素材を使わない「ビーガン」と出合ったのは2006年。埼玉県出身で、30代から東京のスイーツ店で働いていたが、大量廃棄される商品や添加物の多さに耐えられなくなった。店を辞めた後、訪れた農場カフェでビーガンスイーツを食べ、のめり込んだ。「ケーキなどは卵やバターで作るのが当たり前と思っていた。衝撃だった」
熊本に来たのは東日本大震災後。当時、静岡県でカフェを営んでいたが、妻と生後半年の長女を連れて「友人が1人いた」熊本に移住。カフェ経営を経て2017年、自宅近くに工房を開設した。
来熊当初はビーガンの認知度が低く、「変人」扱いされることもあったという。今では卵や牛乳アレルギーに悩む親子らに広がったほか、SDGs(持続可能な開発目標)の浸透もあり、売り上げは工房を構えた当初と比べて5倍に増えた。
「当初はやっていけるか毎日不安だったが、確実にニーズは高まっている。スイーツが、自然環境を意識するきっかけになれば」
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脱炭素化や動物愛護などの観点から、動物由来の素材を使わない食品に注目が集まっている。県内の食品業界における広がりを追った。
からの記事と詳細 ( 植物由来食品、高まる需要 健康志向や環境配慮が追い風|熊本日日新聞社 - 熊本日日新聞 )
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