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Wednesday, March 2, 2022

愛大 健康追跡1万人へ - 読売新聞オンライン

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 愛媛大は2015年度から、県民の健康状態を20年間にわたって追跡調査する「コーホート研究」に取り組む。22年度に対象者は1万人を上回る見込みで、ビッグデータを分析して病気の予防や治療につなげるほか、「ミカンや魚を食べると健康に良いのか」といった研究も進む。(栢野ななせ)

 愛媛大は、生活習慣や遺伝的な背景が健康にどのように影響するのかを解明しようと、研究を開始。県内の19市町や企業と連携して追跡調査の対象は9000人を超えた。新たな参加を募っており、22年度には当初の目標とした1万人に達する見込みという。

 調査は5年ごとで、職業や飲食、睡眠、既往歴など最大で750問の質問調査票(70ページ)に回答してもらう。希望者には健診を実施し、身長や体重、骨密度、体力を測定して認知機能や動脈硬化などの検査も行う。

 調査結果を基に、既に成果も上がっている。〈1〉難聴の人は、そうでない人より軽度認知障害が1・86倍多い〈2〉高血圧の男性は正常血圧の人より難聴が1・52倍多い〈3〉70歳以上で高学歴の人ほど動脈硬化( けい 動脈壁肥厚)の割合が低い――などの論文が学術誌に掲載された。

 今後は、愛媛の特産である 柑橘かんきつ や水産物の摂取が健康、病気予防にどのような効果があるのか、といった研究も進めるという。欧米に比べて国内のコーホート研究は事例が少なく、労力や費用もかかるが、愛媛大では20年間の追跡という長期の計画を掲げる。

 調査を担う三宅吉博教授(疫学・予防医学)は「データの蓄積が愛媛の医療の発展につながり、次世代の予防医学に貢献することも明らかだ」と意義を強調し、「未来の愛媛のために協力してほしい」と調査への参加を呼びかける。

 調査への参加は、メール(epi-prev@m.ehime-u.ac.jp)で。質問調査表にはウェブで回答することができ、冊子での回答にも対応している。

コーホート研究  「コホート」とも表記され、「集団」を意味する。同じ地域に暮らすなど共通項のある集団を長期間かけて追跡する研究手法。「被ばく」「がん」「循環器疾患」などをテーマに各地で実施され、「喫煙者は肺がんになりやすい」といった成果が知られる。

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