
いま65歳の日本女性の平均余命は約25歳と延びていますが、健康寿命は約75歳と変わらず。介護を必要とする期間が約15年もあるのです。健康寿命を延ばすために、見直されているのが腸内細菌叢(腸内フローラ)の重要性です。 京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座教授の内藤裕二先生にお話を伺います。 お話を伺ったのは… 内藤裕二 先生(京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授)●京都府立医科大学卒業。同医科大学附属病院、米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授、京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授ほかを経て現職。日本酸化ストレス学会理事長。著書に『人生を変える賢い腸のつくり方』(ダイヤモンド社)ほか。 取材・文=増田美加(女性医療ジャーナリスト) 『婦人画報』2021年9月号より
「ここ10年の腸内細菌研究の進歩は目覚ましく、特に腸内細菌が産生する代謝物質の研究によって、腸と脳の相関、また腸と全身の病気の関係がわかってきました」と内藤裕二先生。 腸の働きは、消化吸収によって必要な栄養素を取り入れ、不要なものを排泄。それだけでなく外から入ってきたウイルスなどの有害物質を区別して攻撃し、体を外敵から守るという働きもあります。いま話題の免疫機能においても腸が重要で、体内の7割の免疫細胞は腸内にあります。 また、腸はホルモン分泌に関わり、血糖コントロールを助ける、脳内のセロトニンなどを産生する作用も。糖尿病、動脈硬化などの病気にも深く関係しています。 「腸内環境が変わるとホルモンが変わり、体が変わります。腸内環境を変えるには、有用な腸内細菌が正しく働くことが大事。食環境は、重要なファクターです。将来は、薬でなく食べ物で病気を治療していくことも可能になるのではと思っています」と内藤先生。
腸内環境を整えるには?
腸内環境を整えるカギは、腸内細菌叢(腸内フローラ)です。 「同じものを食べても、腸内細菌叢のバランスによって、健康にも、不健康にもなります。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、どちらにもなる日和見菌がありますが、大切なのはそのバランスと多様性。 腸内細菌叢は指紋と同じように、人によって異なりますが、日本人の腸内細菌は、善玉菌のひとつ、ビフィズス菌が多いのが特徴。日本の食文化、食環境と相性のよい腸内細菌が棲んでいるのです」 ビフィズス菌などの善玉菌を摂り続けると、酢酸、酪酸(短鎖脂肪酸)や乳酸などが産生されます。すると善玉菌が好む環境(弱酸性)に整えられ、悪玉菌の増殖を抑える作用があります。
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