
程度は違えど、似た記憶を持つ人は少なくないだろう。感情面だけではない。生理前に感じる腰痛や月経(生理)中の下腹部痛、更年期の体のほてりなどに仕事や家庭の繁忙期が重なって、体調が万全でないなかでもやるべきことは待ってくれない。 不快だしつらいけれど病気ではないし、みんなもそうだから──女性たちはホルモンの影響や月経の周期に伴う体調の変化を、時には脂汗を垂らしながら、時にはうつむきながらただじっと耐えてきた。しかしいま、そこに一筋の光が差しつつある。
女性の体に配慮した取り組みが企業で進む
「私の体でエクオールは作られているんだわ」 日中のオフィスでつぶやいたのはロート製薬(本社・大阪市)でチームリーダーとして学術情報グループを束ねている八巻佳奈さん(40才)。エクオールとは、大豆イソフラボンを原料として腸内細菌から産生される、女性ホルモンと似た作用を持つ成分で、更年期症状を緩和する働きが期待できる。しかしこれを体内で作ることができる人は約2人に1人の割合。検査によって自分がどちらなのかが事前にわかれば、対策も取りやすくなる。 「まもなくやってくる更年期で、自分の体調がどう変わるのか、漠然と不安を抱いていました。仕事は続けられるのか、2人の子供の子育てはどうなってしまうのか――考えると不安が募るばかり。そんな折、会社が『エクオール検査』キットを使用する機会をサポートしてくれました」(八巻さん)
社員の6割を女性が占めるという同社では「エクオール検査」のほかにも女性のためのさまざまな病気や不調を防ぐための福利厚生があり、乳がんエコー検査や子宮頸がん検査も無料で実施している。さらに2018年度からは「かくれ貧血」などの不定愁訴を知るための血清フェリチン検査も開始された。 スマホの画面で検査結果を確認する八巻さんの隣の机で男性社員が熱心に読んでいるのは「女性のハッピーワークBOOK」。2018年2月に全社員に配布されたもので、月経や妊娠、出産、更年期といった女性の体についての悩みの詳細や産休、育休などといった人事制度・手続きなどを一冊の本にまとめたものだ。 同社のように女性の体に配慮した福利厚生や制度の充実を推進する企業は多い。大手IT企業の「サイバーエージェント」は月に1度、女性特有の体調不良や妊活の際に取得できる「エフ休暇」を導入し、医療や美容機器メーカーの「タカラベルモント」は不妊治療で悩む社員のために「顧問助産師」を設置している。 これまで職場の健康管理といえば“メタボ健診”など男性の病気を見つけることが主眼となっていた。しかしいま、大きな転換期を迎えている。
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