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Saturday, December 12, 2020

「日テレの良心」藤井貴彦アナ3位躍進から見えた、視聴者が“男性アナ”に求める本懐 - ORICON NEWS

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 “女性編”に続き、『第16回好きな男性アナウンサーランキング』(オリコン調べ)が先ごろ発表。4年連続でフリーアナウンサーの羽鳥慎一が1位に輝き、来年の “殿堂入り”に王手をかけた。とかく女性が注目されがちなアナウンサーという職種。だが、タレント性が支持率に直結する女性アナに比べ、男性アナは安心感・安定感がより結果に反映されているようだ。キャラクターも持ち合わせつつ、男性アナウンサーに求められる本懐とは?

■過去の殿堂入りの2人は“オタク気質” 「局」の看板背負う男性アナ 

 これまでに5連覇達成で殿堂入りしたのは、TBS安住紳一郎アナ(2009年)、日本テレビ桝太一アナ(2016年)の2人。安住アナはスポーツ、バラエティ、音楽、情報・報道とアナウンサーを軸に、活動の幅は多岐にわたる。桝アナは2011年より『ZIP!』の総合司会を務め、“朝の顔”としてもおなじみだ。共に番組進行力に長けていることが周知されている。

 もちろん個性も際立っており、安住アナは鉄道マニア、国語科マニア、テレビオタクとして有名。テレビでは局アナ、司会者に徹しているが、ラジオの冠番組『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)では、パーソナルな部分が程よく押し出し、絶妙なバランスを保っている。

 桝アナも『ZIP!』での堅実な進行役はもちろん、東京大学院時代にアサリ研究をしていたオタク気質の要素や、知られざる“ボンクラ男子”感など、高学歴なのに不思議と親近感が湧くパーソナルが、程よい塩梅になっていることは言うまでもない。

安住アナ桝アナともに、個性を全面に押し出す“キャラ先行”ではなく、地に足のついたアナウンサーとしての信頼が結果に反映されている。同様のことは、『モーニングショー』(テレビ朝日系)において、どんな論客もしっかりと手の中で転がす“猛獣使い”、本ランキング4連覇の羽鳥アナにも共通している。

■キャラだけでは人気を獲得できない男性アナ

 元来、男性アナはバラエティなども含め、多様な番組MCを任されることが多かった。アシスタント的立ち位置が求められることが多い女性アナとは、現在も明確な差異が存在する。

 もちろん、『news zero』(日本テレビ系)の有働由美子アナ、『あさチャン!』(TBS系)の夏目三久アナ、『Live News it!』(フジテレビ系)の加藤綾子アナ、現役局アナである『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)の大江麻理子アナなど、女性アナがアンカー役を務める場も増えてきてはいるものの、やはり男性アナのほうが自身のアナウンス力や進行力を発揮する場が提供されている傾向は依然高く、視聴者が望む声としても同様の意向が高いようだ。

■コロナ禍において“伝えるチカラ”を実証した藤井アナの“凄み”

 今回のランキング結果において、視聴者の「男性アナに求めているもの」を如実に結果として反映されたのが、初ランクインにして3位に登場した日本テレビ・藤井貴彦アナだ。メインキャスターを務める『news every.』において、新型コロナ感染拡大防止に向けた真摯なメッセージを視聴者に届けたことで注目を集めた藤井アナ。「おうちにいる。人との距離を保つ。それだけで社会貢献になっています」などの言葉は、“藤井語録”としてSNSで耳目をさらった。

 局アナという立場から正確な情報を視聴者にしっかりと伝え、“日テレの良心”と呼ばれる藤井アナ。報道マンでありアンカー役として、信念を持って視聴者に向き合う“アナウンサーの本分”を有事の際にまざまざと見せつけてくれた。

 現在、同ランキング4連覇中の羽鳥慎一アナと同期入社だった藤井アナ。両者とも早くからその資質を買われ、日テレの“ツインタワー”と称されていた。だが、キャラ立ちも良い羽鳥アナは同ランキングでも常に常連。対する藤井アナは、昨年までTOP10圏外と、その関係性はまさに“陰と陽”だった。

 羽鳥アナが日テレ退職後も、後輩の桝太一アナが同局の顔として確固たるポジションを形成するなど、ある種の不遇感が漂っていた。だが、地味ながらも愚直なまでに報道に向き合うその姿勢は、常に後輩アナウンサーから指針として掲げられ、『news every.』メンバーからも“キャプテン”と慕われてきた。

 藤井アナの急上昇は、世の中の状況を的確にアナウンスする、“伝えるチカラ”がより求められていることの証左。同期であり、現在“絶対王者”でもある羽鳥アナ、藤井アナの背中を見て飛躍を遂げた桝アナ、さらにそれに続く若手アナ陣…近年の男性アナ支持は、“日テレ出身者”で占められているのが現状だ。藤井アナのDNAを継ぐ若手アナの台頭はもちろん、他局の男性アナによる“新たな潮流”にも期待したい。

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