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Tuesday, August 18, 2020

テレワークでモバイルやクラウドのセキュリティ需要拡大--IDC - ZDNet Japan

 IDC Japanは、国内の企業向けモバイルセキュリティ市場とクラウドセキュリティ市場の2020~2024年の予測を発表した。

 同社は、当該期間における企業向けモバイルセキュリティ市場の年間平均成長率を8.4%、市場規模(売上額ベース)は2019年の92億円から2024年には138億円に拡大すると予測している。

 市場では、政府の働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展、また、新型コロナウイルス感染症対策でのリモートワークの普及拡大を背景に、企業のモバイルデバイス利用が拡大しているとする。また、モバイルデバイスを狙うマルウェアへの対策に加え、モバイルアプリケーションへのアクセスの管理、生体認証、リスクベース認証などを組み合わせた多要素認証などモバイルのID/アクセス管理、モバイルアプリケーションの脆弱性管理といった需要が拡大すると予想されている。

 クラウドセキュリティ市場については年間平均成長率14.6%、市場規模(同)では2019年の137億円から2024年に272億円へ拡大すると予測する。

 リモートワークの増加で全社員の在宅勤務など会社全体でリモートワークを実施する機会が増加し、VPN経由での社内ネットワーク負荷が高まり業務効率が低下することが顕在化している。また、社外から直接インターネットにアクセスする「ローカルブレイクアウト」によるパブリッククラウドの利用も加速すると予想され、パブリッククラウドへアクセスする際のクラウドシングルサインオンやクラウドセキュリティゲートウェイソリューションによるセキュリティ対策がさらに拡大すると予想されている。

 加えて、クラウド環境の利用に伴って分散アプリケーション環境を実現するためにコンテナー化されたクラウドネイティブアプリケーションの開発/展開/運用も拡大すると見ている。これによりコンテナー環境上で動作するアプリケーションの監視やアクセス制御、コンテナー管理へのアクセス管理といったコンテナー環境へのセキュリティ対策もクラウドセキュリティの大切な要素になるとしている。

 なお、特に新型コロナウイルス感染症の影響では、全社的なリモートワークでモバイルからVPN経由での社内ネットワークアクセスが拡大してパフォーマンスの劣化が顕在化している。インターネット回線から直接パブリッククラウドサービスにアクセスさせるケースが増えているという。

 文書ファイルやプレゼンテーションなどのコンテンツを共有するコラボレーティブワークスペースのクラウドシフトが加速すると同時に、個人情報や機密情報などが含まれるコンテンツなどのデータを安心安全に活用できるワークスペースの構築も必要になる。そのためモバイル環境とクラウド環境の両面において外部脅威対策だけでなく脆弱性管理やセキュリティポリシーの一元管理、アクセス管理など総合的なセキュリティ対策が必要とされてくる。

 ソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーの登坂恒夫氏は、「ソリューションサプライヤーは、総合的なセキュリティソリューションの機能を集約し一元的に管理、運用できる集約型のセキュリティソリューションを提供すべき。これによって、企業はモバイルデバイスからインターネット回線経由で直接パブリッククラウドサービスを利用した場合においてもセキュリティが強化され、業務効率と運用効率の向上を図れる」と述べている。

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