MDMAを所持したとして麻薬取締法違反容疑で逮捕された女優沢尻エリカ被告(33)が6日、勾留先の東京・警視庁湾岸署から保釈された。湾岸署前には午前中から多くの報道陣が詰め掛けたが、沢尻被告は報道陣の前に姿を現さず。関係者が運転するとみられる後部座席にカーテンのひかれた車両で、裏口から出た。

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関係者によると、沢尻エリカ被告は報道陣の前に出て謝罪することを嫌がったという。被告が警察署からなかなか出てこなかったのは、表から出るか裏から出るか、もめていたという。

デビュー当時から被告をよく知る関係者は顔を見せなかった保釈劇に、「エリカらしい」と納得した。「心がざわついたら、逃げたくなるタイプ。気が弱いから、人前に出られないのかもしれない」とする一方で「弱さゆえのふてぶてしさで、今はもしかしたら一生復帰したくないし、謝りたくもないと思っているかもしれない」とも推測した。

「心がざわついて逃げた」ことは過去にもあった。

別の関係者によると、被告はあるパーティーで、以前仕事をしたスタッフに再会。スタッフは違う仕事を被告側に持ち掛けたが断られたため、少し冷たい態度を取った。敏感に相手の態度を感じ取った被告はマネジャーにも何も言わず、会場を出ていった。同関係者は「彼女は怖がりで繊細だから、腹を立てる前に、自分に対して冷たい人がいるところにいられない。その場から逃げてしまった」と振り返った。「顔を見せない保釈もあの時と全部同じ」とみている。

デビュー当時は他の女優と同じ部屋でも文句一つ言わなかったという。当時を知る関係者は「演技は抜群だし、待遇に文句一つ言わないプロの仕事ぶりだったが、素顔はとてもいい子。本来、ふてぶてしい子ではない」と断言。「女優ともなれば腹が立っても我慢する人が多い中、うそをつけない正直な性格だから、感情を隠せない。子供の部分がある。反面、それがいい女優でもある要因ですが」と分析した。

今後については「誰かのアドバイスを聞くまで心の整理ができたら、変わることができるのでは。根は素直ですから」と推測した。【近藤由美子】