「数字でしか物事を見ていない。楽天は人をマネジメントできていない」――。楽天グループで働いていたある人物はそう憤りを見せた。
楽天Gには「目標必達」の文化がある。事業をさまざまなKPI(重要業績評価指標)に因数分解し、持ち前の徹底力で数字をつくる。創業から現在まで、このKPIマネジメントが楽天Gの成長を支えてきた。
しかしKPIを求めるあまり、ガバナンスが利かない事例も生じている。
ある楽天市場の出店者は「(各出店者を担当する楽天G社員の)EC(電子商取引)コンサルタントが突然、転職の相談を持ちかけてきた。『数字、数字』で疲れ切っていた」と明かす。物流事業の社員も「精神的な理由で長い休みを取った人が3人いた。人事の体制が整っていない」と訴えた。楽天流に合わない社員の中には、心身にダメージを負って辞めていく人もいる。
企業文化に合う人だけが自然と残り、相性の悪い人は離れていくということ自体は、必ずしも避けるべきことではない。合わない文化の会社にとどまることは、会社と社員の両方にとってマイナスだ。楽天Gの元幹部も「楽天流に食らいつける人だけが残った。それが楽天の強さを支えた」と語る。
しかし、その企業文化が不正につながった面があるとすれば、目を背けることはできない。
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