電話にメール、行き先までの路線検索にキャッシュレス決済とあらゆることがスマホ任せになっている現代、充電切れになったら一大事です。そうならないためにモバイルバッテリーを持ち歩いている人も多いはず。しかし最近はモバイルバッテリーも種類が豊富で、どれが自分のニーズに合う製品なのかわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はアンカー・ジャパンでモバイルバッテリーなどの販売戦略やオフラインセールスチームを統括担当するリードシニアマネージャー・一杉悠平さんに、製品のラインナップやニーズの変化、最近の売れ筋などを聞いてきました。
最近の売れ筋は大容量・小型軽量・マグネット型
Ankerのモバイルバッテリーは、ハイエンドからエントリーまで多彩なラインナップを揃えているのが魅力です。ユーザーのニーズが細分化しているため、どのようなニーズにも応えられるよう幅広い製品を取り揃えています。最近はどのようなニーズがあり、どのような製品が売れているのでしょうか。
「ここ数年、お求めになるお客様が増えているのはPCに対応した大容量のモバイルバッテリーです。一方で持ち運びに便利な小型モデルも人気で、本体そのものをコンセントに差して充電することができる『直挿しモデル』のシェアも急速に高まっています。あとは、Qi2という規格が誕生して需要が高いマグネット型の充電器もAnkerで力を入れているカテゴリーです。このような感じで、大容量、小型軽量、マグネットといったところの需要が増えています」
さらに、「複数持ち」をして、シーンに応じて使い分けるのも最近のトレンドだと言います。
「例えば『今日は外出先でPCを使う時間が長そうだから大容量』『スマホの充電ができれば十分だからなるべく小型のもの』という風に、用途に合わせてモバイルバッテリーを使い分けている方も多いですね。このほか、家のリビングで使いたい、会議中に充電したい、などあらゆるニーズに応えるためにモバイルバッテリーも多様化しています」
リモートワークの増加やスマホの大型化で売れ筋にも変化が
以前は、モバイルバッテリーといえば「スマホへの充電」を前提に購入する人がほとんどでしたが、コロナ禍でリモートワークが増えたことにより、PD対応のニーズが増えた、と一杉さん。
「コロナ禍以前は『モバイルバッテリーでパソコンを充電する』という考え方があまりなかったと思うのですが、コロナ禍以降はPC対応が当たり前になっています。ちょうどそのタイミングで、PD対応のモバイルバッテリーも各社小型化が進み、製品数も増えてきたので一気に売れ出した感じですね。最近はスマホのバッテリー自体も年々大型化しているので、そういった面からも大容量が求められています」
PCへの充電も前提に購入する場合、製品選びで気をつけるべきことや、PC側の仕様で確認しておくべきことはあるのでしょうか。
「一番大事なのは、使用しているPCに付属している充電器の出力ワット数と同等か、それ以上の製品を選ぶことです。今は45Wの充電器であれば、Windows PCのミドルタイプ以下は基本的に対応すると考えていただいていいと思います。ただハイスペックPCは65W以上の充電器がついている場合があるので、65Wもしくは100W対応の製品を買っておくと安心です」
最近はワイヤレスで充電できる製品も話題になっていますが、ユーザー比率が増えているかどうかも聞いてみました。
「Qi2対応のモバイルバッテリーが出始めてからは、対応機種となるiPhone 12以降を使っているお客様に急速に浸透してきており、ワイヤレス充電関連製品の市場も大きく変化してきています。Android端末でも使えるようになればマーケットも一気に広がると思うので、今後は一番期待できる領域だと考えています。ただ、メインで使うのは従来型のベーシックモデルだと思うので、2台持ち、3台持ちのお客様にはワイヤレスも視野に入ってくるのではないでしょうか」
トレンドに沿ったカラバリも揃うスタンダードモデル
ここからは、ユーザーニーズ別におすすめ商品をご紹介します。まずは一番需要が多いスタンダードタイプ。最初に登場したのは、10,000mAhかつUSB Type-Cを2つ備えた3ポート搭載のモデルでは業界最小クラスの「Anker Power Bank (10000mAh, 30W)」です。
「小型PCからタブレットまで対応する出力30Wのモデルで、スマートフォンへは約2回急速充電できます。今までの10,000mAhはここまでコンパクトではなく、もう少しズングリムックリとした形でしたが、業界最小クラスで出力30Wというところが最大の魅力ですね。表面にディスプレイを搭載していて、バッテリー残量や使用状況がひと目で確認できるのも便利です」
続いては、「小さくて、速い」がウリの、日常使いに最適なAnker Nanoシリーズから「Anker Nano Power Bank (30W, Built-In USB-C Cable)」をピックアップ。
「こちらはスタンダードな製品の中でも付加価値をつけた製品です。モニター搭載でバッテリー残量も画面で確認できます。最近の製品の特徴になりますが、ケーブルが一体型なので、本体を充電器に差し込むだけで充電が可能。USB Type-Cに対応している機種であれば、そのまま抜き差しして充電できます。ケーブルを持ち歩かなくても済む、非常に使い勝手のいい製品です」
ここまでに紹介した2型は、どちらもカラーバリエーションが揃っているのも魅力のひとつ。カラーはトレンドや最新スマホのカラーなどに合わせてラインナップしているそうです。
続いては5月に発売されたばかりの新製品「Anker Power Bank (10000mAh, 22.5W)」。全世界で600万台以上の販売を記録した大人気モバイルバッテリー「Anker PowerCore 10000」の後継モデルで、バッテリー容量はそのままに、高出力、薄型設計、搭載ポートの面で大きく進化しました。
「世界最薄クラスの厚さ16mmの薄型設計で、ポケットに入れて持ち歩けるサイズ感が魅力です。コンパクトながらも最大22.5Wの高出力で急速充電。10,000mAhの大容量でスマホは約2回充電できます。また、ストラップにも注目。付属ケーブルの端子部分を収納してストラップとして使用できる設計を初めて採用しました。約1万回の折り曲げにも耐える強度なので、ストラップとしてしっかり実用できます」
小型軽量モデルは「直挿し」がトレンドに
常にカバンに入れて持ち歩くなら、小型軽量のモデルが最適です。このカテゴリーでのおすすめは、ケーブルレスで余計なものは持ち運ばずに済むモデル。Anker Nanoシリーズの超コンパクトモデル「Anker Nano Power Bank (22.5W, Built-In USB-C Connector)」は手のひらにすっぽり収まるサイズ感です。
「コンパクトさと5,000mAhというパワフルさを兼ね備えたモデルです。最新のiPhoneにも使える一体型のUSB Type-C端子は折りたたんで収納できるつくりになっています。小型な上に充電したい機器に直挿しができるので、充電しながらスマートに持ち歩くことができます。最近はスマホだけでなく、ポータブルゲーム機で使われる方も多く、対戦中に充電が切れてしまうといった緊急時にも使いやすいと好評です」
「Anker Power Bank (30W, Fusion, Built-In USB-C ケーブル)」は3月に発売された製品で、USB急速充電器、モバイルバッテリー、さらにUSB Type-Cケーブルが一体となった3in1のハイブリッドモデル。
「充電器としてご家庭でも使えて、外出先ではモバイルバッテリーとしても使える汎用性の高い製品です。最近のトレンドを踏まえてケーブルも一体になっているので、ACプラグかUSB Type-C、どちらかがあれば本体への充電もできます。ご家庭ではコンセントに差して本体のバッテリーを充電できるので、充電のし忘れも防止できます」
コンパクトでも大容量のモデルが欲しい、という方には「Anker Power Bank (20000mAh, 22.5W, Built-In USB-C ケーブル)」が最適。スマホだけでなくタブレットなど、幅広い機器に充電することができます。
「20,000mAhの大容量なのに非常にコンパクトです。以前はこのサイズで10,000mAhくらいでしたから、倍の容量になったということですね。トレンドに沿ったケーブル一体型で、USB Type-C、Type-Aのポートも搭載されているので家族や友人など複数人で使うこともできます。旅先などでも重宝しそうです」
折りたたみ式のスタンドが便利な注目のワイヤレス
ワイヤレスモデルなら、一杉さんも愛用しているという「Anker MagGo Power Bank (10000mAh)」がイチ押し。スマホがマグネットでピタッと本体にくっつくので、いろいろなシーンで便利さを実感できる製品です。
「MagSafe対応のスマートフォンなどをお持ちの方には、ぜひ検討していただきたいモデルです。10,000mAhの大容量なのでスマホを約2回充電できますし、最大15W出力というハイスピードでワイヤレス充電ができます。Qi2未対応のモデルは7.5W出力が主流だったので、とても速くなりました」
さらに、シンプルでスタイリッシュなスタンド付きなので、スマホでSNS動画や映画を見る人にとってはかなり便利です。
「ドライヤーを使いながらでも、家でご飯食べながらでも、楽な姿勢で見ることができます。さらに、私が一番気に入っているところは、カバンに入れた状態で充電してもぴったりとくっついて外れる心配がないところです。今までのワイヤレス充電はズレないようにしておく必要がありましたが、これならその心配はありません。あと、意外と知られていないと思うのですが、MagSafeに対応したワイヤレスイヤフォンも充電できるんですよ」
Qi2対応で10,000mAhの大容量。最近はスマホも5,000mAhではフル充電できないハイスペックモデルが登場しているので、10,000mAhあると安心です。
11ものポートを搭載した汎用性の高いポータブル充電
最後に紹介するのはポータブル電源です。キャンプなどのアウトドア需要に加え、最近は大きな地震が各地で起こっていることから防災対策として検討されている方もいるのではないでしょうか。Ankerがおすすめするのは、大容量の高出力モデルなのにコンパクトで、自宅に保管する際も場所をとらず、持ち出しも容易な「Anker Solix C1000 Portable Power Station」です。
「ポータブル電源の中でも売れ筋のベーシックモデルで、ACポート6個のほかUSB Type-CやType-Aにも対応しているためどんなデバイスでも使うことができます。独自の急速充電技術により0から100%充電までわずか58分という驚きの速さ(※)で、充電待ちのストレスがないのも魅力。ご家庭にある多くの家電を動かすことができるパワフルさで、消費電力2,000Wまで複数の家電を同時給電できます」
※2023年9月時点 1,000Wh帯において、20℃のテスト環境下におけるAnker調べ。専用アプリで超急速充電モード設定時。通常モードでは約90分です。外気温や使用環境により充電時間は異なる場合があります。
Ankerで販売している別売りのソーラーパネルとの互換もあり、ソーラーパネルでの充電も最短2時間(※)という速さ。外部から電源がとれない場合も、自然光で充電が可能です。
※Anker Solix PS400 Portable Solar Panelを2枚並列使用時。
買い換え時期や廃棄方法などのお悩みも解決
モバイルバッテリーは買い替えのタイミングがわかりにくいものです。どのくらい使ったら、また、どのような状態になったら買い替えるべきなのでしょうか。
「モバイルバッテリー等に搭載されるリチウムイオン電池のサイクル回数は500回を目安にしていて、アンカー・ジャパンでも製品保証が最大2年間となっているので、まずは500回を目安に買い替えていただくのが理想です。
元々は100%使える状態だったものが、繰り返し使っていると新品の頃の80%くらいまでしか使えなくなったと感じることがあるかと思いますので、バッテリーの持ちが悪くなったと感じた時も買い替えのタイミング。バッテリーが劣化した状態で使い続けてしまうとリチウムイオン電池の特性上、膨らんだり、膨らみによって端末に亀裂が入ったりすることがあります。安全保護システムが入っているのですぐに大きな事故に繋がる危険性が高いわけではありませんが、その兆しや違和感があればすぐに買い替えることをおすすめします」
モバイルバッテリーの廃棄方法についても聞いてみました。
「基本的には自治体のルールに従って廃棄することになりますが、それでも迷ってしまった場合や、手軽に捨てたいという場合は量販店で回収ボックスを設置しているところもあるので、お住まいの近くにあるか調べてみるのもいいと思います。また、全国のAnker Storeやアンカー・ジャパンのカスタマーサポートでも不要なバッテリー搭載製品の下取りを承っています。アンカー・ジャパンでは新生活シーズンなど節目に合わせて買い替えキャンペーンを実施していて、バッテリーをお持ちいただくと割引などの特典を受けられることもあるので、その時期を狙って買い替えるのもおすすめです。リチウムイオン電池は燃えるゴミとして出してしまうと回収車が収集時に圧縮して爆発事故に繋がる危険性もあるので、適切な方法での廃棄をお願いします」
からの記事と詳細 ( モバイルバッテリーのトレンドをアンカーに聞く 小型・ワイヤレス・PC充電 - Impress Watch )
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