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毎年4月から5月にかけては、各社の決算が発表され、決算会見が催される。企業によって、決算のタイミングは違うが、この時期になると、各社の新しい方針などが発表されることも多い。
今年もモバイル業界の各社から決算が発表されたが、今回はそこから見え隠れするモバイル業界の「お金の事情」について、考えてみよう。
左上:NTTドコモの井伊基之代表取締役社長、右上:KDDIの髙橋誠代表取締役社長、左下:ソフトバンクの宮川潤一代表取締役社長、右下:楽天モバイルの三木谷浩史代表取締役会長(写真はいずれも5月のもの)
さまざまな企業で構成されるモバイル業界
モバイル業界は携帯電話会社や端末メーカー、ソフトウェアベンダー、サービスプロバイダー、代理店など、さまざまな企業によって、構成されている。こうした企業が一年を通して、経営がどういう状況だったのかを示すのが「決算」であり、この決算内容を説明するのが「決算会見」や「決算説明会」になる。
スマートフォンや携帯電話などを利用するユーザーにとって、決算は関係各社が発表するもので、自分の利用にはあまり関係ないと思われがちだが、決算会見では各企業の動向や経営方針などが示されたり、決算と前後する形で、重要な発表が行なわれることも少なくない。2022年度の決算シーズンを迎え、2023年4月から5月にかけてはモバイル業界各社の決算会見が相次ぎ、各社の気になる動向が見え隠れした。
憶測を呼んだ楽天モバイルのKDDIとの新ローミング契約
今年の決算シーズンで、まず、もっとも注目を集めたのは、やはり、楽天モバイルがKDDIと新たにローミング契約(ローミング協定)を結んだことが挙げられる。楽天モバイルは2019年10月の先行サービス開始以来、エリアを補完するため、KDDIの携帯電話網へローミングする契約を結んでいた。
ところが、楽天モバイルとしてはローミングのコスト負担が大きいため、自社回線の基地局整備を大幅に前倒しする一方、2021年からは東京都をはじめとした地域でのローミングを順次、停止していた。地域によってはローミング終了によって、圏外になってしまったり、つながりにくくなるなどの問題が指摘されたが、楽天モバイルによれば、大幅に前倒ししたエリア拡大によって、2023年4月末現在の人口カバー率は98.4%に達したという。
しかし、人口カバー率は全国を500メートル四方のメッシュに区切り、その内の半分以上で利用できれば、エリアとしてカバーされたという解釈で算出されるため、ユーザーが利用するときの実状と違いが出てきてしまう。
たとえば、ビル内や地下街、建物の間などは電波が届きにくく、すでに人口カバー率が99.9%に達したNTTドコモ、au、ソフトバンクでも電波が届きにくい場所がある。特に、楽天モバイルの場合、楽天ペイが店舗での決済時に圏外で使えないなど、自らの強みである『楽天経済圏』を活かせないことが指摘されていた。
こうした状況を踏まえ、楽天モバイルではKDDIとのローミング契約を見直し、新しいローミング契約を結ぶことが発表された。新ローミング契約の詳細は明らかにされていないが、楽天モバイルは新ローミング契約をベースに、6月1日からはパートナー回線エリアでも制限なく利用できる「Rakuten最強プラン」をスタートすることを発表した。
形としてはコスト負担を減らすため、2021年以降、順次、停止していたローミングを「やっぱり、足りません」とばかりに、再契約したように見えてしまうが、実際には楽天モバイルの人口カバー率が98.4%にまで達し、他社と同等の99.9%まで、自社回線でエリアを拡大するには、膨大なコストと時間がかかるため、新たにローミング契約を結んだことになる。
かつてソフトバンクの代表取締役社長だった宮内謙氏(現在は取締役会長)は、楽天モバイルが人口カバー率96%を達成した当時、「96%を99%にするには兆単位のお金がかかる」とコメントしており、最後の数%には巨額の投資がかかることがうかがえる。
また、もうひとつの事情として、KDDIとしての「お金の事情」も垣間見える。これはKDDIの決算会見でKDDIの髙橋誠代表取締役社長がコメントしていたが、楽天モバイルがローミング契約を順次、停止したことで、当初、見込んでいたローミング提供による収入が減ってしまい、売り上げなどに影響を与えたことが関係している。
楽天モバイルのエリアが広がり、いずれローミングが終了するにしてもKDDIとしては徐々に収入が減っていくほうが望ましいと考えたわけだ。
同時に、KDDIとしてはネットワーク全体として、急速に5Gへの移行を進める中、4G LTEを利用した既存サービスや訪日旅行者のローミングなど、既存の4Gネットワークも維持しなければならず、4Gネットワークも一定の稼働率を確保しておきたいという考えもあるようだ。
今回の楽天モバイルのKDDIとの新ローミング契約について、髙橋社長も楽天モバイルの三木谷浩史代表取締役会長も「守秘義務があるので、契約内容は詳しく話せない」とコメントしていたが、おそらくこうした両社の事情を踏まえ、楽天モバイルにとっては従来よりも負担の少ない形でローミング契約が結ぶことができたと推察される。
「Rakuten最強プラン」なら、3278円でauエリアが使い放題!?
KDDIとのローミング契約を見直し、新しいローミング契約を結んだことで、楽天モバイルは「Rakuten UN-LIMIT VII」に代わる新しい料金プラン「Rakuten最強プラン」を発表した。
新プランの詳細については、本誌記事でも解説されているので、そちらを参照していただきたいが、もっとも大きな変更点としては、従来の「Rakuten UN-LIMIT VII」ではパートナー回線でのデータ通信量が5GBに制限され、それ以降は1GBずつ追加購入する必要があったのに対し、「Rakuten最強プラン」ではパートナー回線でも楽天回線で接続したときと同じように、無制限で利用できるようになり、段階制の月額料金の上限も3278円に据え置かれたことが挙げられる。
発表直後には、SNSなどで「ということは、月額3278円でau回線が使い放題?」といった投稿が見受けられたり、auやUQモバイルのユーザーからは「楽天モバイルのユーザーが使いまくったら、auやUQモバイルのユーザーに影響が出るのでは?」といった楽天モバイルの新プランの影響を不安視する声も見受けられた。
こうした状況を受け、5月22日にはKDDIがUQモバイルの新プラン発表時に、あらためて新しいローミング契約の内容を説明することになった。
まず、6月1日からスタートする新しいローミング協定では、全国エリアが対象になっているものの、 東京23区、名古屋市、大阪市、局所的なトラフィック混雑エリアは対象外 となっている。地下鉄や地下街、トンネル、屋内施設など、一部のインドアはローミングの対象エリアで、東京23区、名古屋市、大阪市の一部繁華街エリアも対象エリアに含まれる。
詳細なエリア情報は6月1日にKDDIのホームページで公表される予定のため、「一部繁華街エリア」が具体的にどういう場所を指すのかは、現時点で不明だが、たとえば、東京の新宿・歌舞伎町や渋谷・センター街といった日常的に人出が多い場所などで、楽天モバイルの回線でカバーできない建物内などは、ローミングの対象になる可能性が考えられる。逆に、新宿区の全域というような広範囲のエリアがローミングの対象になることはなさそうだ。
それに加え、これらの場所では当然のことながら、楽天モバイルの基地局なども設置されているため、電波の届く範囲であれば、楽天回線に優先的に接続され、パートナー回線へのローミングは補完的な接続になる。ちなみに、この繁華街エリアの一部スポットをローミングで提供する方針は、KDDIと楽天の双方が頻繁にエリア対策の協議をする中で決まったものだとしており、サービス開始後も順次、見直される可能性が高い。
また、KDDIがローミングで提供するのは、800MHz帯の4G LTEのみで、ほかの700MHz/1.5/1.7/2/5/3/5GHz帯はローミングの対象に含まれておらず、5Gでの接続も対象外。
あらためて説明するまでもないが、auやUQモバイル、povo、au網を使ったMVNO各社のユーザーは、端末が対応していれば、これらの周波数帯域をすべてを使うことができ、キャリアアグリゲーションによって、複数の周波数帯域を束ねた高速通信が利用できる。その結果、同じ場所にいて、auの4Gネットワークに接続しながら、auユーザーは数十Mbpsで通信ができるのに対し、パートナー回線に接続した楽天モバイルのユーザーの通信速度はグッと低く抑えられる可能性も考えられる。
さらに、端末の設定を変更し、パートナー回線のみに接続して、au回線で使い放題にするといった手法を考える投稿もSNSなどで見受けられたが、パートナー回線として提供するのは4G LTEのみであり、当然のことながら、KDDIはネットワークを監視しているため、局所的にトラフィックが増えれば、制限される可能性が高い。
KDDIはauやUQ WiMAXのネットワークで利用状況に応じた制限を実施した実績があるため、こうした極端な使い方には当然、何らかの対策を講じてくるはずだ。
楽天モバイルは再浮上できるか?
5月12日のプレスカンファレンスでは、質疑応答に対応した三木谷会長が「皆さんがザクザク入って(加入して)いただけると、そのまま行けるんじゃないかなと(笑)。それはちょっと冗談ですが、新しい技術でやっていることによって、圧倒的なコストが削減できていることがひとつあります」と新プランへの意気込みをうかがわせた。
確かに、これまで弱点とされていたエリアについては、98.4%まで拡大した自社回線に加え、KDDIが提供するパートナー回線でもデータ通信量が無制限に利用できるようになったことで、他社サービスに対するマイナス点はひとまず解消できた。
これに加え、総務省が新たに割り当てを進めている700MHz帯の3MHz幅のプラチナバンドを無事に取得し、今秋にも利用開始をスタートできれば、さらにエリア拡大にも余裕ができてきそうだ。
ただ、他社はすでに5Gのエリア拡大を進めており、いち早く転用をスタートさせたauとソフトバンクは、5G対応端末の普及も相まって、着実に5Gネットワークの利用率を高めている。
月額最大3278円でデータ通信が使い放題という「Rakuten最強プラン」は、他社のプランに比べ、コスト的なアドバンテージがあるが、市場全体のデータ通信量が急速に伸びてきている状況を鑑みると、楽天モバイルも早々に5Gネットワークのエリア拡大が必要になってくる。それと同時に、楽天グループ各社と連携したメリットを今まで以上に打ち出さなければ、ライバル各社からユーザーを獲得してくるのは難しそうだ。
また、楽天グループとしては、財務的な負担はまだまだ続くことになる。楽天グループは5月16日に公募及び第三者割当による新株式発行を発表したが、今年2月にも個人向け社債「楽天モバイル債」を発行しているほか、ここ3年間で10回を超える社債を発行しており、今後、これらを順次、返済していかなければならない。
楽天市場や楽天カード、楽天銀行、楽天証券など、グループ各社は、しっかりと利益を確保しているので、資金的にはまだ余裕がありそうだが、2023年中の楽天モバイルの黒字化は事実上、見送りとなっており、楽天モバイルが順調に利益を稼ぎ出していくには、もう少し時間がかかりそうだ。
楽天モバイルに限った話ではないが、本来、携帯電話事業は何かヒット商品を生み出したりすることで業績が改善するといった事業ではなく、着実に契約者数を増やし、継続的に利益を上げられる体制を作ることが重要となってくる。
楽天モバイルはサービス開始当初、0円スタートのプランをアピールしたかと思えば、昨年から段階制に切り替えたり、ネットワークも「1.7GHzで十分戦える」と言いながら、プラチナバンドの割り当てを強要したりと、事業の方針が右往左往してきた印象が少なからずある。
楽天グループ各社との連携もサービス開始当初はごくわずかだったが、ようやく昨年から徐々に楽天モバイルユーザーの優遇施策を拡充している。
昨年、NTTドコモの井伊基之代表取締役兼CEOは、本誌のインタビューで「エリア拡大で競争する時代じゃない」と語っていたが、楽天モバイルはKDDIとの新ローミング契約を得たことで、4社は事実上、エリアに大きな違いがなくなる時代に入ったとも言える。
このことを踏まえると、楽天モバイル今回の「Rakuten最強プラン」を機に、どのように魅力をアピールしていくのか、料金以外のどの要素で他社との違いを打ち出していけるのかが再浮上を左右することになりそうだ。
NTTの株式25分割の背景
決算会見ではさまざまな方針が打ち出されるが、今年の各社の決算会見において、業界を驚かせたのがNTT(日本電信電話)の株式分割だ。
あらためて説明するまでもないが、NTTは2020年にTOB(株式公開買付)によって、NTTドコモを完全子会社化したため、現在はNTTドコモの親会社という存在。そんなNTTが7月1日付けで株式を分割することを発表したわけだが、その単位が25分割という異例の細分化であることに驚かされた。
投資に興味がない人にとっては、「株式の分割」と言われてもあまりピンと来ないかもしれないが、簡単に言ってしまえば、株を売買する単位を細かくすることを指す。
現在、東証などで売買されている株式は、それぞれの株式ごとに、1株、100株、1000株などの単位株(単元株)によって売買されており、この単位株を持つことで、配当がもらえたり、議決権を行使するなどの株主としての権利を得る。ちなみに、証券会社などが独自で提供するミニ株やプチ株などは、こうした単位株に満たない数の株式を取引するもので、議決権行使などの権利は制限される。
NTTの場合、現在は100株を単位株としており、最近の株価が4000円前後(1株あたり)なので、NTTの株主になるには約40万円の資金が必要になる。「40万円くらいはすぐに出せる」という人もいるだろうが、手持ちの資金に余裕がない人にとっては興味があってもなかなか投資できない金額とも言える。
そこで、NTTは株式の単位を25分割することで、より投資してもらいやすくしようというわけだ。具体的には、単純計算で株価が150~160円程度になるため、単位株の投資に必要な金額は1万5000円~1万6000円程度まで引き下げられることになる。証券会社に口座は必要になるが、この程度の金額なら、誰でも手軽に投資できそうだ。
NTTが株式分割を実施する背景には、個人投資家の属性が大きく関係しているという。一般的に企業が株主の個人的な属性などを知ることはできないが、NTTは証券会社などからヒアリングした結果として、同社の株式を持つ個人投資家ののうち、60歳以上が80%を占めていることがわかったという。
もちろん、そういう年代の人たちは資金に余裕があることも関係しているのだろうが、日本を代表する企業の株主構成としては、やや歪な印象は否めない。将来へ向けた持続的な成長には、幅広い世代からの投資を受ける必要があるという考えから、今回の25分割に踏み切ったのだという。
また、もうひとつの背景として、2024年からスタートする新NISAなどによって、投資への関心が高まることが予想されており、NTTとしても投資先の候補に挙げてもらえるように、最低投資額を引き下げたいという目論見があるようだ。
こうした個人からの投資を促す事例は、過去にも多くの例があり、モバイル業界ではソフトバンクが2018年に新規上場をしたとき、ソフトバンクの契約ユーザーに対し、株式購入をアピールしていたことが記憶に新しい。
ちなみに、株式の投資額については、東京証券取引所などを運営する日本取引所グループが 「個人投資家が投資しやすい環境を整備するため、投資単位を5万円以上50万円未満にすることが望ましい」 という方針を示している。昨年、日本証券業協会が実施したアンケートでも約90%の回答者が「50万円未満が望ましい」と答えており、20代や30代では、よりその傾向が強かったという。
前述の楽天グループでもわかるように、携帯電話事業には莫大な資金が必要だが、各社を応援するファンを増やすという意味合いも含め、今後は個人からも広く投資を受けられる体制を作ることも重要になってくる。
特に、若い世代からの投資が少ないということは、企業としても将来的な成長を期待されていないとも受け取られ兼ねないわけで、その意味からも今回のNTTの株式25分割は非常に興味深い取り組みだと言えそうだ。今後、モバイル業界各社が個人投資家からの投資、若い世代からの投資にも目を向け、新しい戦略を打ち出してくるきっかけになるかもしれない。
バルミューダの携帯端末事業撤退に見る端末ビジネスの難しさ
今回の決算シーズンでは、少し残念な話題も報じられた。そのひとつがバルミューダの携帯端末事業からの撤退だ。2021年11月に「BALMUDA Phone」を発表し、携帯端末事業に参入したが、残念ながら、5月12日に携帯端末事業を終了することが発表された。
BALMUDA Phoneについては、発売当初、ソフトバンク版とオープン市場版(SIMフリー版)共に、価格設定が高めだったことが影響し、ネット上を含め、非常に厳しい評価を下されてしまった。
筆者としては本連載のレビュー記事でも説明したように、カレンダーをはじめとするアプリの取り組み、画一的なスレート状(板状)ボディに対するアンチテーゼとも言える丸みを帯びたデザインなど、それぞれに評価できるポイントがあると書いたが、スマートフォンの核となるチップセットや画面サイズ、カメラなどのスペックを元に下されたネット上の評価はたいへん厳しく、結局、発表時の評価を覆すことはできなかった。
製品のレビュー記事掲載後、バルミューダの寺尾玄社長を直接、取材する機会を得て、BALMUDA Phoneに対する熱意やこだわりも聞くことができたが、残念ながら、その後の二号機、三号機の企画も流れてしまい、最終的に携帯端末事業からの撤退という決断に至ったようだ。
BALMUDA Phoneがうまく支持されなかった背景にはいくつかの理由があるが、ここ数年の端末のハイスペック化やコスト増の影響を受け、端末ビジネスそのものが難しくなってきたことが挙げられる。
スマートフォンが国内市場に本格的に展開されてから、すでに10年以上が経過しているが、ケータイ時代から国内外でビジネスを展開してきたNECやPanasonic、東芝などが撤退し、海外メーカーもLGエレクトロニクスのような大手メーカーがグローバルでの端末ビジネスを終了するなど、生き残りが厳しくなってきている。
新規参入についてはODM/OEMを利用したものを含め、いくつかのメーカーが参入したが、残念ながら、個人向けの端末としてはほとんどのメーカーが参入から数年で撤退してしまった。
撤退にはそれぞれに個別の理由があるが、やはり、端末を開発し、製造し、販売するには、一定の生産台数をコミットする必要があり、その最低ラインがどんどん高くなってきたことが挙げられる。
BALMUDA Phoneの生産台数は明らかにされていないが、ソフトバンクが取り扱ったことで、ある程度の台数が納品(販売)できたものの、それでも大手メーカーの端末に比べれば生産台数が少ないため製造コストは高く、それが価格にそのまま反映されてしまい、あの価格設定になったと推察される。
同時に、発売後のサポートやアップデートなどのコストも端末のロングライフ化で徐々に高くなり、急激な為替の変化や半導体不足なども影響している。おそらく、二号機、三号機の企画があるとされながら、企画が流れてしまったのもこうした「お金の事情」が大きく関係しているのだろう。
ただ、モバイル業界のビジネスは、端末だけがすべてではない。今後、バルミューダとして、BALMUDA Phoneの開発で得られた経験や知見を活かし、新しいモバイル業界の製品やアクセサリー、IoT製品などを手がけてもらいたいところだ。
そして、もうひとつはバルミューダの携帯端末事業撤退の影響もあって、BALMUDA Phoneの製造を請け負っていた京セラが個人向けの携帯端末事業からは撤退することが明らかになった。
今後は法人向けのみに特化するとしているが、この撤退によって、au向けなどで好評を得ていた「TORQUE」シリーズ、カシオ計算機製端末のDNAを継承した「G'z One」シリーズなどの高耐久モデルは、後継モデルが開発されないことになりそうだ。他メーカーが引き継ぐ可能性がないわけではないが、昨今の市場環境を鑑みると、厳しいと言わざるをえず、もし、興味があるのであれば、早めに端末を確保することをおすすめしたい。
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からの記事と詳細 ( [法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」]各社の決算から見え隠れするモバイル業界の「お金の事情」 - ケータイ Watch )
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