体をつくるたんぱく質の栄養学【前編】
たんぱく質といえば、「筋肉がつく」、「太りにくい」など、健康のためにしっかりとるべき栄養素というイメージが強いと思います。最近では、糖質に比べ血糖値を上げにくいたんぱく質はダイエットに最適だとして、糖質を制限し、代わりにたんぱく質を摂取している人も増えているといいます。その一方、現代の日本人の食生活は慢性的なたんぱく質不足に陥っており、改善が必要だという趣旨のインターネット記事もよく見かけるようになりました。栄養素としてのたんぱく質の働きから食事で上手にとる方法まで、2回に分けて解説したいと思います。
栄養素としてのたんぱく質の性質は
たんぱく質は生き物が活動するためのエネルギー源になる栄養素で、1グラムあたりのエネルギー量は約4キロカロリーと、炭水化物とほぼ同じです。
私たちの体は40兆近い細胞からつくられているとされ、そのすべての細胞に含まれている体の重要な構成成分として働いています。酸素を運搬するヘモグロビンや、免疫に関わるグロブリン、体内の代謝を調節する酵素などもたんぱく質からできています。
体の中のありとあらゆる部分で活躍しているたんぱく質ですが、他の栄養素から体内では合成できないため、食事からとる必要があります。
アミノ酸スコアってなに?
というのも、たんぱく質は20種類のアミノ酸からつくられており、そのうちの9種類は体内で合成できないからです。この9種類のアミノ酸を不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)と呼びます。必須アミノ酸のどれかが不足してしまうと、筋肉や臓器などを構成する「体たんぱく質」の合成が十分にできなくなり、成長や健康を損なうおそれがあります。
アミノ酸スコアという言葉を聞いたことのある人も多いと思います。食品に含まれる必須アミノ酸の組成を比べる時は、…
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からの記事と詳細 ( 筋肉が分解!? 「糖質制限ダイエット」の落とし穴 | 健康をつくる栄養学のキホン | 成田崇信 - 毎日新聞 )
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