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Wednesday, January 25, 2023

米国、子の「心の健康」問題が深刻に 親の心配事トップ(写真=ロイター) - 日本経済新聞

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【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で子どもの「心の健康」問題が深刻さを増している。米世論調査によると、親の心配事のトップは子どものメンタルヘルスだった。新型コロナウイルス流行で孤独や不安を感じる状況が増えたとみられ、州政府は身近な学校で支援を受けられるように態勢づくりを急いでいる。

米調査会社のピュー・リサーチ・センターが24日、米国での子育てに関する調査結果を発表した。18歳未満の子を持つ親に心配事を聞いたところ、76%が「子どもが不安や気分の落ち込みで苦しむこと」を挙げた。次いで多かったのは「子どもがいじめられること」で、「誘拐」や「暴力」などが続いた。

米国では長年、心の健康問題を抱える子どもが増加傾向にあるとされる。米心理学会などはコロナ禍で長期間、学校に登校できなくなったことや、親の失業、近親者の死なども深刻な影響を及ぼしたと指摘する。専門家が不足しており、医療機関で受診するまで半年以上待つことも多いという。

米医学誌「JAMA」で昨年12月に発表された調査では、心の健康問題で緊急外来にかかる子どもが増えていることも分かった。2015年から20年にかけて年8%増加した。その他の理由の受診は年1.5%の増加だった。米民間企業による医療保険の請求を分析した調査では、心の健康問題で入院する子は21年、16年に比べて6割増えた。

「子どもの3分の1がほぼ毎日悲しみや絶望を感じている」。中西部ウィスコンシン州のエバース知事は24日、州の調査結果を引用し、子どもの心のケアに取り組む考えを示した。2億7000万ドル(約349億ドル)の予算を充て、すべての子どもが身近な学校などで適切な支援を受けられるようにする方針だ。

大半の州では学校で子どもを支援する専門家が不足している。米学校カウンセラー協会は生徒250人に対してカウンセラー1人の配置を推奨するが、基準を達成しているのは東部バーモント州と同ニューハンプシャー州だけという。

西部カリフォルニア州は昨夏、州内の大学と協力し、学校のカウンセラーを1万人増員する計画を発表。学校での一定期間の勤務を約束した学生には最大2万ドルの奨学金を提供している。

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