コロナで集団健診中止影響
市福祉部 会場の環境整備要望
2日に行われた市健康増進計画推進会議で示された「健康みやこじま21(第2次計画)」の最終評価では、がん検診の受診率で胃、肺、大腸のほか、子宮頸(けい)がん、乳がんについては計画開始時(2011年)よりもすべて大きく下回っていることが示された。要因としては、新型コロナウイルス感染症による集団健診の中止なども挙げられたが、実施会場となっている地域の公民館について、環境整備の必要性なども市福祉部から要望として出された。
同計画の開始時と直近の21年との比較では、胃がんが男女とも8%台が3%に、肺がんは14~15%台が8~9%台、大腸がんは10%台が6~8%台に落ち込んでいる。
また、子宮頸がんは29%台が24%台に、乳がんは32%が18%台にとこちらも落ち込んでいる。
一方で特定健診の受診率は、計画開始時の37%からは38・6%(22年10月速報値)と微増で、がん検診に比べてコロナ禍の影響は大きくない。
これについて、福祉部の仲宗根美佐子部長は、特定健診については集団健診だけでなく開業医による個別健診あり、対象者にとって受診機会が多いことも結果に反映しているとの可能性を指摘した。
仲宗根部長は「宮古では特定健診と一緒にがん検診も受けられる開業医が一カ所しかない。がん検診と一緒に特定健診を受ける機会は集団健診しかないので、集団健診が新型コロナの影響で中止になると、大幅に受診率が落ち込んでしまう」と話した。
そのほかにも、集団健診を実施している地域の公民館について、その環境改善の必要性を訴えた。
「地方では、ワクチン接種も公民館で実施したが、障がいを持つ人や車いすを使うお年寄りが一気に訪れて(三密回避で)ある程度のスペースが必要だったり厳しかった。また、トイレの段差が問題になったり、クーラーの故障などもあった。障がいを持つ人、高齢者がもっと検診を受けやすい環境にすることも大切」と述べた。
これに対して、座喜味一幸市長は「関係機関の横の連携をもっと密にしながら、環境の整備にも取り組み、市民の健康づくりにしっかり対応していきたい」との考えを示した。
がん検診の受診率が落ち込んでいることは、早期発見の機会が失われていることにもつながる。
過去の検診で早期にがんが発見されたケースも多く、早期に発見できれば、しっかり治療することもできることから、がん検診の受診率向上は喫緊の課題となっている。
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