9月12日、総務省において「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース(第11回)」が開催された。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年9月17日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
楽天モバイルにプラチナバンドを割り当てるのが既定路線になっているような会議だが、既存3社と楽天モバイルとの議論は平行線をたどったままであった。
とにかく、楽天モバイルの主張は既存3社にとって到底、受け入れられるものではない。「1年以内に再割り当てできる」「費用は既存3社持ち」では、既存3社としては「承知いたしました!」とはならないだろう。
有識者からは15MHz幅は必要ないのではないかという意見も出たが、楽天モバイルは聞き入れる様子はない。既存3社として、とにかく議論を続けて時間稼ぎしたいだろうし、そんな牛歩戦略に楽天モバイルは焦る一方ではないか。
周波数を再割り当てするには、既存の3社が周波数を有効活用しておらず、欲しいと思う事業者の方が有効活用できるという主張が通らないといけない。
楽天モバイルとしては「うちがプラチナバンドを持つことで、安い料金を提供し続けられる」としているが、9月12日の会議では有識者から「矢沢社長の言っていることは、かなり印象が悪い。安い金額で品質の悪いサービスを提供して市場を取りたいという風にしか聞こえない」と苦言が呈された。有識者としては「安い料金の実現は有効活用とは違う」と言いたいようだ。
楽天モバイルがここまで無茶な要望をしていると言うことは、もはや同社にプラチナバンドを割り当てるというのは既定路線なのだろう。だからこそ、上から目線で3社に対して強く言えるのではないか。
そもそも、既存の事業者が利用している周波数を横から奪えるという制度を新たに作ってしまうこと自体が驚きだ。3社も主張しているが、これでは長期的な経営戦略など立てられない。
もし、今後、楽天モバイルに続く「第5のキャリア」として手を上げる事業者が出てきたどうするのか。既存3社はさらに使っている周波数を第5のキャリアに明け渡す必要が出てくるのか。また、第4のキャリアである楽天モバイルも、第5のキャリアに周波数をわけなくてはいけなくなるのか。
また、既存3社は思いっきりプラチナバンドを有効活用しているわけで、プラチナバンドの運用実績のない楽天モバイルが「うちのほうが有効活用できます」と主張しても、説得力のある説明ができるのだろうか。
「モバイルネットワークの民主化」を掲げ、安価な料金プランを提供し続けるという一本足打法だけでは、有識者を納得させるだけの主張にはなり得ないのではないだろうか。楽天モバイルには何かしらの逆転打が求められそうだ。
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