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月額基本料が「0円」など非常に安い料金を売りとした携帯電話サービスが、にわかに活況を呈している。例えばソフトバンクは2022年5月20日からオンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」の基本料を実質無料とするキャンペーンを開始した。データ通信容量が3ギガバイトまでの「ミニプラン」が対象で、新しい番号で契約するか他の携帯電話会社から乗り換えると、月額基本料990円(税込み、以下同)相当のPayPayポイントを最大6カ月間提供する。キャンペーンの終了時期は未定としている。
ソニーグループ傘下のソニーネットワークコミュニケーションズも2022年6月2日、MVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「NUROモバイル」の基本料を最低0円にする割引施策を導入した。具体的には、NUROモバイルと固定回線サービス「NURO 光」をセットで利用すると1年間割引を受けられる「NURO光・NUROモバイルセット割特典」において割引額を拡大。これによりNUROモバイルの低価格プランを1年間は月額基本料0円で使えるようにした。
各社が「0円」で攻勢を掛ける背景には、楽天モバイルが月額0円から使える料金プランを廃止する方針を打ち出したことがある。現行プランの「Rakuten UN-LIMIT VI」は、月間のデータ通信量が1ギガバイト以下であれば月額通信料は0円で済む。だが同社は2022年6月末で現行プランを廃止し、翌7月からは最低料金が月間3ギガバイトまでで月1078円の新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を導入する。
これに落胆しているのが、主に「0円」を目当てに楽天モバイルを契約したユーザーだ。問題となっているのは、楽天モバイルが現行プランの契約者も含めて新プランに強制移行させる点である。緩和措置として2022年10月末までの最長4カ月間は、月間データ通信量が1ギガバイト以下ならポイント還元などによって「実質0円」で利用できるようにする。だが、その後は月額0円で回線を維持できなくなる。楽天モバイルによる0円プラン廃止の発表を機に、他社への乗り換えを検討したり、実際に乗り換えたりしたユーザーも少なくないようだ。
楽天モバイルの携帯電話市場参入当初からのユーザーである筆者も、多分に漏れない。現在は2回線を同時に使えるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応したスマートフォンを使い、音声通話用に携帯大手、データ通信用に楽天モバイルの回線をそれぞれ契約して利用している。楽天モバイルについては、データ通信をあまり使わない月の最低維持費が安く、かつ使いすぎた月も最大月額3278円で収まるなど、懐に優しい点が気に入っていた。楽天モバイルの料金改定をきっかけに他社の携帯電話サービスを検討したところ、この半年ほどの間に競合他社の低容量帯の料金プランが一段と多様化していたことが分かった。
からの記事と詳細 ( 楽天モバイルの「0円プラン廃止」に利用者落胆、お得な乗り換え先はどこだ - ITpro )
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