若者に人気の「eスポーツ」を高齢者の健康づくりに役立てる取り組みが仙台市で始まった。NTT東日本が市などと連携協定を結び、コンピューターゲームが高齢者の健康増進につながるかを検証するユニークな試み。効果が認められれば普及の足掛かりにする。
格闘ゲームに挑戦
4月22日、青葉区の台原老人福祉センターであった初の体験会。15人の高齢者がハンドルやコントローラーを操作し、車のレースや格闘ゲームに挑んだ。
「新鮮な感覚」「難しいけど楽しい」。童心に返ったように熱中し、次々に声を上げた。泉区南光台の無職板橋正昭さん(68)も「反射神経が鍛えられた。孫と対戦できるぐらいうまくなりたい」と笑った。
体験会に先立ちNTT東は同15日、市、東北福祉大、仙台eスポーツ協会と協定を締結。実証実験は12月31日まで行う。
NTT東は体験会の運営を担い、東北福祉大はeスポーツが高齢者の身体に与える影響を分析。eスポーツ協会はゲームの選定などを行う。市は高齢者のスマートフォン利用の熟達度などを調べ、デジタル社会の課題を探る。
取り組みの前提にあるのは、高齢者がeスポーツに取り組むことで認知力や判断力、筋力などの低下を防げるのではないかとの期待だ。研究では老人福祉センターを利用する60~90代の高齢者18人を対象に7回体験会を実施。体力測定やアンケートも定期的に行い、効果の有無を検証する。
NTT東は近年、eスポーツを成長分野と位置付けて注力している。2019年3月には仙台市でeスポーツの試合を中継するパブリックビューイング(PV)を実施。20年1月にはeスポーツイベントの企画・運営会社「NTTe-Sports」(東京)を設立した。
NTT東の滝沢正宏執行役員宮城事業部長は「eスポーツは高齢者の健康だけでなく、人と人とがつながる機会にもなる」と期待。高齢社会におけるeスポーツの可能性を追求する。
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