聞き手/田中 太郎(日経ESG経営フォーラム事業部長)
2010年の創業以来、24時間型ジムとして成長を続けるFast Fitness Japan。企業理念に基づいてマテリアリティを特定、ESG課題に積極的に取り組む。
設立以来、成長を続けています。事業内容をご紹介ください。
山口 博久(やまぐち・ひろひさ)
Fast Fitness Japan 取締役副社長 CFO
1956年生まれ。80年三井銀行(現三井住友銀行)入行。2004年スギ薬局取締役管理本部長、11年アサヒホールディングス執行役員。12年インターセントラル代表取締役社長を経て、15年Fast Fitness Japan取締役管理本部長。17年より現職(写真:村田 和聡)
山口 博久 氏(以下、敬称略) 米国で誕生した24時間マシンジム特化型のフィットネスクラブチェーン「エニタイムフィットネス」の日本におけるマスターフランチャイジーとして事業を展開しています。「エニタイムフィットネス」ブランドの日本における独占的使用権と運営ノウハウの提供を受け、店舗は子会社のAFJ Projectが運営する直営店と、サブフランチャイジーによるフランチャイズ(FC)店で運営しています。
2010年に調布に1号店を出店後、全国への展開を進め、20年4月に47都道府県全てに出店しました。22年3月末で1000店強になり、会員数は21年12月末で62万2000人に上ります。
総合型スポーツクラブとどう違うのでしょうか。
山口 マシンジムへの特化と24時間年中無休が強みです。独自に開発した入館管理システム・セキュリティシステムにより、夜間は無人化営業を可能にしました。何よりも店舗面積が小さく、マシン中心ですから、人員配置が少なくて済みます。これは8割以上を占めるフランチャイズオーナーにとって大きなメリットになります。総合型スポーツクラブはプールやお風呂、サウナなどがあるため、監視員が必要ですし、維持費が高額になり、水回りの修理費もかさみます。それが一切ないため、初期投資やランニングコストを大きく減らすことができます。
ニーズを絞り込んで展開しているということですか。
山口 若年層の需要を掘り起こしており、会員は40代以下が約9割を占めます。自分の好みのトレーニングをいつでも手軽にやりたいというニーズをすくい取っているといえます。総合型スポーツクラブがスーパーマーケットだとすると、24時間気軽に利用できるコンビニに例えることができるのではないでしょうか。
運営面で見ると、総合型は3000人から5000人の会員を集めないと採算に乗らないといわれており、出店立地も限られます。当社の場合500人程度で十分採算が合うため、コンビニのように地域に細かく展開でき、難しいといわれるロードサイドの出店も可能です。フィットネスに行きたくても、行けなかった人にサービスを届けることができるようになるのです。
日本のフィットネス参加人口は長らく3%程度でしたが、3年ほど前に4%台に乗りました。米国は20%、イギリスも15%で、主要国は10%以上が標準になっています。今後、参加率10%を目指し、さらに店舗を増やしていきます。4%が10%になるだけで、マーケットは実に2.5倍になります。運営コストが低いため、会費を安く抑えることができます。気軽に入会できる点は、日本のフィットネス参加率の向上につながるのではないかと考えています。
からの記事と詳細 ( Fast Fitness Japan・山口博久副社長「日本の健康を創る先進企業へ」 - Nikkei Business Publications )
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