Amazonは28日(米国時間)、Amazonデバイス&サービス事業部門の新製品・サービス発表会を開催し、家庭用ロボット「Astro」や、子ども向けデバイス「Amazon Glow」、フィットネストラッカー「Amazon Halo View」、15型ディスプレイの「Echo Show 15」などの新製品を発表した。
なお、日本では現時点で発売が決定しているのは「Echo Show 15」のみ。他の製品やサービスの提供は未定としている。
家庭用ロボ「Astro」
「Astro」は、Amazon初の家庭用ロボット。AIやコンピュータビジョン、センサー技術、音声・エッジコンピューティングなどの技術を結集し、周囲の環境を把握しながら移動したり、ディスプレイやマイクを使ったビデオ通話や部屋の様子のライブビューなどに対応。また、Ringによる見守りサービスなどに活用できる。
2021年後半から米国で発売。価格は1,449ドルだが、初回の“Day 1 Edition”は999ドルで販売する。
15型大画面で壁掛けもできる「Echo Show 15」
Echo Showシリーズで最大の15型フルHDディスプレイを搭載し、壁掛けや縦置きに対応したスマートディスプレイ。
Alexaによる音声操作に対応するほか、Alexaウィジェットでカスタマイズできるホーム画面に、共有カレンダーや買い物やToDoリストの管理、食事のアイデア探しなど、家庭内の情報を整理して表示できる。
スマートホーム機器の操作や荷物の追跡、家族へのメモ、ビデオ通話などに対応。また、Prime Video、Netflix、Huluなどのコンテンツを1080pのフルHDでストリーミング再生できる。また、ユーザーを認識する「ビジュアルID」を搭載。Alexaがユーザーを認識すると、各ユーザーに合わせたスケジュールやカレンダーなどを表示する。日本でも発売予定で、価格は29,980円。
壁掛けできる「Amazon Echo Show 15」。15型大画面で29980円
Disneyとのパートナーシップも発表。“ヘイ・ディズニー”と呼びかけて操作できる「Echo Show 5」を2022年初頭に発売し、米国のディズニーリゾートにも導入する。
Alexaによる音声操作で、部屋の温度などを調整できるサーモスタット「Amazon Smart Thermostat」も発売。Honeywellが開発した製品をAlexa対応としたもので、価格は59.99ドル。
遠隔コミュニケーション「Amazon Glow」
新たに発表された「Amazon Glow」は、子供と遠くに住む祖父母などをつなぐデバイスとして開発。8型の液晶ディスプレイのほか、手元に映し出される19インチ相当のタッチセンサー付き投影エリアを通じ、Glowアプリをタブレットなどにダウンロードした参加者とリアルタイムに交流できる。
広角カメラも搭載し、子供はディスプレイ上で参加者の様子を確認。また、参加者はカメラを通して子供の様子を手元のタブレット越しに確認できる。
Glowを利用することで、離れた家族と子供などが読書やお絵かき、ゲームなどの時間を共有し、インタラクティブに繋がれるという。ビデオ通話の機能も搭載。価格は249ドル。
ディスプレイ付きの「Halo View」は79ドル
Amazonは健康・ウェルネスブランドであるAmazon Haloシリーズには、ディスプレイ付きの「Amazon Halo View」を追加。
有機EL(AMOLED)のカラーディスプレイを採用し、心拍数や歩数、睡眠スコア、血中酸素濃度、ワークアウトのトラッキングなどの健康情報をリストバンド上で確認できる。バッテリは約7日間動作し、価格は79.99ドル。月額3.99ドルのHaloメンバーシップサービスとセットで提供される。
また、Haloメンバーシップには「Halo Fitness」を追加。筋力トレーニングや有酸素運動、ヨガ、ウェルネス、アウトドアなどあらゆる体力レベルに応じたワークアウトのコンテンツを提供する。さらに、健康的な食生活をサポートする新サービス「Halo Nutrition」も提供。時短レシピの検索や、1週間分のヘルシーな食事メニューをプランニングできるという。
見守りサービス「Alexa Together」
高齢の家族を見守る、新サービス「Alexa Together」も発表。高齢の家族がオプトインを許可した場合、家族のAlexa搭載デバイスを遠隔から操作できるようになり、連絡や操作が行なえるほか、リマインダーなどを設定できる。
また、緊急時に備え、高齢の家族がAlexaに助けを求めると、Alexaがすぐに緊急対応サービスに連絡する機能も装備。家族にも通知を送ることもでき、緊急時も常に迅速に家族間での連携を図れるという。
Ring
ドアベルやスマートカメラなど、ホームセキュリティの「Ring」はサービスを強化。不審者の侵入、洪水や火災などの脅威から自宅を守る「Ring Alarm Pro」や、警備会社が購入者が屋外に設置したRingカメラを見守るサブスクリプション型サービス「Virtual Security Guard」などを発表している。
サステナブルとプライバシーを重視
Amazonのデバイス&サービス事業を統括するデイブ・リンプ氏は、「Amazonのデバイスはガジェットを目指しているのではない。最初のKindleからサービスに密接に紐付いている。コンテンツやサービスのためのデバイスで、現実世界をより明るく、楽しく、便利にするものが目標だ」と語り、「Ambient Inteligence」というキーワードで、AIにつつまれたfabric(生地)としてのAmazonデバイスを紹介。全てがバックグラウンドで動作し、家族や人々をつなぐサービスを構築する。
また、「プライバシーとサステナビリティが最も重要」と語り、Echo Show 10や最新のEchoのAZ1プロセッサでは、すべての音声処理をデバイス内で処理し、クラウドに送信していないことを説明(米国の事例)。将来的にはすべてのデバイスがそういう形になるとした。
新サービスとともに強調されたのが「サステナブル」。Amazonは2020年に、すべてのEchoシリーズの消費電力に相当するクリーンエネルギーを生産するため、新たな風力発電所や太陽光発電所を米国に建設することを発表している。加えて今回、2025年までにFire TVシリーズとRingシリーズの使用量に相当するクリーンエネルギーを生産するため、風力発電所と太陽光発電所への追加投資を行なうことも発表した。
Echoシリーズの取り組みと合わせ、年間500万メガワット時以上以上のクリーンエネルギーが生産され、40万世帯以上の家庭の電力に相当する。さらに、2025年にはデバイスからのカーボン排出を50%カットする計画も発表した。
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