
下着にベタベタくっつく不快なおりもの。やっかいではあるけど、周期によってどんな状態なのか、カラダの変化を教えてくれる大切な存在である。色や粘度、臭いで、おりものはどんなサインを送っているのか?また、腟内の菌について、スポーツドクターで婦人科医の高尾美穂先生に教えてもらった。 【写真】「おりもの」は健康のバロメーター!色・量・ニオイで分かること【医師監修】 監修:高尾美穂先生 産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター 女性のための統合ヘルスクリニック、イーク表参道副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。一般社団法人アスリートヨガ事務局理事、ドームのアドバイザーリードクターも務める。内科・婦人科・乳腺などを中心にクリニックでは診察を担当し、女性の健康をサポート。マターナル(周産期)ヨガを始め、ヨガセッションも積極的に行っている。また、プロアスリートのメディカル・メンタルサポート、女性アスリートに向けた、医学的知識の提供などにも積極的に参加。
生理周期も“おりもの”の状態でわかる
そもそもおりものは、女性ホルモンの影響によって腟から出る分泌物。個人差が大きいが「あって正常」と高尾美穂先生。 「今まで出てなかったのに、急に出てきて心配というご相談をよく受けますが、排卵期や月経前など量が増える時期はありますし、『今までも出ていたはず』というのが答えです」 病気や異常をいち早く発見するいためにも、おりものの質や量の変化を生理周期で知っておけば、過剰に心配する必要もない。 「排卵期のおりものは、伸ばすと10cmくらいになるほど牽糸性も高いのが特徴です。排卵期を過ぎると、ポテッとして、豆腐を握り潰したような白い塊に変わります。その理由はカラダがすでに精子が腟に入ってきたと判断して、それ以上の精子や、ばい菌が入らないように、腟にふたをするためです。生理直後は、量が減ってさらっとしています」
注意したい“おりもの”の状態とは?
おりものがあること、そして生理周期によって量が増減することは正常。では、感染症などにかかっているなど、異常な状態とはどんな症状なのか? 「黄緑色でカッテージチーズのようにポロポロしたおりものが大量に出て、かゆみもある場合はカンジタ腟炎の可能性があります。まず、一つ目に、カンジタになりやすい状態は生理前です。ただ、生理になると、経血がシャワーの役割を果たし腟内がリセットするので、生理後に自然と治ることが多いです。 次に、抗生物質を飲んでいる時もカンジタになりやすいです。カンジタ菌は常在菌であり、腟内に存在すること自体は問題ないのですが、抗生物質のせいで他の常在菌が消えて、抗生物質が効かないカンジタ菌だけ相対的に勢いを増してしまう。その結果、おりものの状態が変わり、さらにかゆみが出ます。かゆみがどうしようもなくて我慢できない場合以外は、本来は治療の必要はありません」
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