高崎健康福祉大学(群馬県高崎市、以下、本学)では、平成17(2005)年から毎年学生を対象に、たばこに関するアンケートを実施してきた。その中で、現在喫煙中の喫煙者、および過去にたばこを吸ったことがあるが今は吸っていない者を合わせて「喫煙経験者」と呼んでいる。30(2018)年の調査では、学生の喫煙経験者の割合(喫煙経験率)は男子12・4%、女子2・4%であった。
このアンケートでは、周囲の喫煙者についても尋ねており、表に示すように、父親および母親が喫煙していると回答した学生の割合(父母の喫煙率)は、それぞれ30・6%、9・0%であった。また、両親ともに喫煙者の割合は5・8%で、両親がともに非喫煙者の割合は66・2%であった。
そこで、これらのデータを基に、親の喫煙と子の喫煙の関連を分析した。グラフは、親の喫煙状況と男女学生の喫煙経験者の割合(喫煙経験率)を集計した結果である。グラフ中の「*印」は5%水準で、また、「**印」は1%水準で統計的に有意差のあることが認められたことを示している。
親が喫煙している学生の喫煙経験率は、男女とも全体の喫煙経験率を上回っていた。両親ともに喫煙者の男子学生の喫煙経験率は20・5%、女子学生では6・8%であった。一方、両親がそろって非喫煙者である場合は、それぞれ9・9%、2・2%であった。つまり両親が喫煙者の場合には、非喫煙者の場合に比べ、子の喫煙経験率は男子で約2倍、女子では約3倍になることが分かった。
父親が喫煙者の子の喫煙経験率は、非喫煙の父親に比較し男子は約1・5倍、女子では約2倍だった。喫煙の母親の場合には、男女ともに子の喫煙経験率が非喫煙の母親に比べおよそ2倍であった。
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