NECは、人とペットとの暮らしにおけるさまざまなサービスを1つのIDで一元化し、飼い主をサポートする愛玩動物コミュニケーションプラットフォームサービス「waneco(ワネコ)」を4月より順次開始。今後5年間で600万頭の登録を目指す。
「waneco」は、ペットとの関係性強化を目指す「Pet Relationship Management(PRM)」に基づき、犬猫情報やさまざまなサービス・手続きを、1つのID「waneco ID」で連携。デジタル化した情報を共有・活用するプラットフォームサービス。ペットサロンのスタッフが気づいた健康上の問題を、そのまま動物病院へ共有できるなど、従来は難しかった連携をID1つで可能にする。
サービスの第1弾として、LINE公式アカウントを使ったサービス「waneco talk」の社内実証を4月から開始。8月に一般向けとして提供開始予定。三軸加速度センサーと気圧センサーを備えた日本動物高度医療センター(JARMeC)開発の犬猫用活動量計「PLUS CYCLE」を首輪につけ、活動量や、就寝時間を測定。気圧センサーによってジャンプ回数なども記録できる。
収集した犬猫の活動量は、NECのAI技術群「NEC the WISE」で分析。ペットの状態に基づいたメッセージが「waneco talk」のLINE公式アカウントから届き、外出先からペットの状態を知ることができる。
たとえば、ペットが寝ているときは「ねむねむ」、起きた時は「ハッ…」などとメッセージがLINEで送られてくる。状況に応じて「何してる?」と飼い主がトークすることで「起きた~」などの返事で、より詳しい状況を知ることもできる。
ペットの状況については、今後もディープラーニングを使用した学習を蓄積することでさらに精度を向上。将来的には、排泄時や食事をしているか、なども検知することを目指し、蓄積したデータを健康管理につなげていく。
PLUS CYCLEは、既に発売済みで、全国で約1,000の動物病院において、そのデータを活用可能。動物の状態をセンサーで記録する機器は他にも存在するが、データを動物病院に持ち込んで健康診断などに役立てられるのが既存製品との違いという。そのため、全国の獣医師や動物病院と連携できる体制を整えている。
NECでは今後、パートナーとの連携を進め、ペットサロン向けの無償版アプリやペットサロンにおける施術データと血統種、性別、年齢別の傾向を分析把握するデータ分析サービスを4月以降順次展開。アプリにはペットの健康チェックに欠かせない耳・歯・目・皮膚・被毛の状態などを登録し、ペットサロンにおけるカルテ情報のデジタル化をスタートする。
国内では約1,800万頭の犬・猫がいるが、2025年までにそのうちの1/3となる600万頭の登録を目指す。売り上げ目標は5年後までに500億円。
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