2021年の幕開けにあたり、本紙では大木哲大和市長にインタビューを実施。2020年を振り返るとともに、新年の抱負を語ってもらった。
コロナ対策にスピード重視
--あけましておめでとうございます。新型コロナウイルスに翻弄された2020年を振り返り、どのような1年でしたか。
「人類を脅かす感染症と対峙するという、だれもが経験したことのないこの状況下は、大和市が市政運営の中心に据える『健康』について、多くの人が最も重要であると、再認識する年となったのではないでしょうか」
--大和市のコロナ対策は、1月28日に対策会議を開催するなど、他市に先駆けた素早い対応が目立ちました。市長は当初からスペイン風邪を引き合いに注意を呼び掛けていました。その理由はどのようなものからだったのでしょうか。
「新型コロナウイルスは、短期間に世界中へと感染が拡大しました。対策会議を開いた1月当初は、ウイルスの特性や感染経路がはっきりしておらず、先行きはだれにも見通せない状況でした。しかし人類は、過去、幾度となくパンデミックを経験してきています。未来を知ることはできませんが、過去に学ぶことはできる。そこで、人類史に大きな影響を与えた感染症の一つである、スペイン風邪が参考となります。
例えば、スペイン風邪が流行した当時は、ウイルスの存在自体が分かっていない時代でしたが、マスクの着用を法令化した地域では、感染の拡大が抑えられたという実績がありました。そこで大和市においても「大和市おもいやりマスク着用条例」を制定しました。なお、マスクの予防効果については、当初、懐疑的であったWHOも、今では着用を推奨しております」
国・県に先駆け注目取組み多数
--ひっ迫する医療現場、疲弊する経済状況など多くの市民が不安を感じる中、「大和市に住んでいてよかった」と思えるよう心がけたことはありますか。
「何よりもスピード感を重視しています。大和市ではこれまで、感染症予防にかかるさまざまな施策を今日まで実施し続けています。そのうち、全国の自治体で初となったもののみをご紹介すると、消毒用アルコールが全国的に品薄となることを予見し、市民の皆さんなどに次亜塩素酸水の配布を行いました。次に、感染拡大を思いやりの心で防いでいくため、「大和市おもいやりマスク着用条例」を制定しました。そして、万一の感染拡大時に歯科医師も検査ができるようにするため、大和市医師会と大和綾瀬歯科医師会との協定も締結しています」
--大きな話題を集めた歩きスマホ禁止条例。条例制定に対する想いや意義をどのようにお考えですか。
「歩きスマホによって人とぶつかりそうになったり、自らつまずいたりなど、危険な経験をされた方も多いのではないでしょうか。歩きスマホは、注意力が散漫になり事故等に遭う危険性も高くなります。
厳しい状況、職員と一丸で
国の統計では、スマートフォンの世帯保有率はパソコンを上回り、79%以上と急激に普及しています。この先、さらに普及が予想されることから、事故等を未然に防止するため、大和市が全国に先駆けて条例化しました。スマホ等は通行の妨げにならない場所で立ち止まって見るようお願い致します」
--大和市をPRする機会として21年からふるさと納税の返礼品事業にも参加しますが、新年度に力を入れたい施策などあれば教えて下さい。
「行政経営は、世の中の流れを的確に読み解き、戦略的思考に基づいた施策を打ち出す必要があります。一方で、新型コロナウイルスへの対策は、基礎自治体である大和市には権限という武器がないため、できることが限られている状況です。そのような中においても、職員と一丸となって、全力でさまざまな問題に取り組んでまいります」
--新年度の財政の見通しはいかがでしょう。
「新型コロナウイルス感染症の拡大により、依然として厳しい社会経済状況にあります。当然、本市の市税収入についても、こうした影響を受けるものと見込んでいますが、これは恐らく、どの自治体においても、同じ状況にあるのではないでしょうか。
大和市は、誰もが共通して願う『健康』を基軸に据えた市政運営に一貫して、取り組んでまいりました。厳しい状況にあっても、この姿勢を崩すことなく、市民の皆様に住んでいて良かったと感じていただけるよう、令和3年度予算を編成していく考えです」
--最後に市民へメッセージをお願いします。
「市民の皆様におかれましては、健やかな1年を過ごして頂ければと思います。健康都市として、これまで以上に皆様が『大和市に住んでいてよかった』と思っていただけるよう、スピード感をもって施策を実施してまいります。
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