コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナ予防でのオンライン飲み会や、ストレス発散の1人飲みなど、以前と異なる飲酒スタイルで「つい飲み過ぎる」という人もいるのでは? また、「GoToイート」で久しぶりに友人らと再会し、つい酒量が増えたという人も。一般的に、多量飲酒は肝機能によくないといわれるが、血圧にも悪影響を及ぼす。

「ビールを1日1リットル以上飲むような多量飲酒を続けていると、血管が変性して動脈硬化が進み、難治性高血圧(治療抵抗性高血圧)になりやすいといえます」と、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌医師は警鐘を鳴らす。

高血圧は、診察室の血圧測定で140/90ミリヘクトグラム以上が目安となる。通常は、食生活の見直しに自ら取り組み、それでも血圧コントロールが難しいときには降圧薬を服用するのが治療の基本だ。降圧薬には、血管を広げる、血圧を上げるホルモンの作用を抑える、塩分を尿に出すなど、種類はいろいろ。難治性高血圧は、食生活の見直しはもとより、いくつもの降圧薬を使っても血圧が下がらないのだ。

「高血圧状態が続くため、血管や心臓へのダメージが強く、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります」

詳しいメカニズムはよくわかっていないが、食塩過多による高血圧とは異なる仕組みで、多量飲酒は難治性の高血圧につながる。

「1日の量として、ビール500ミリリットル1缶まで、日本酒は1合、ワインは2杯までにとどめましょう。飲み過ぎないことが大切です」。