新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)による長期の外出自粛に伴い、人々の生活が大きく変わりました。そうした中で、常に手の届くところにあるモバイルアプリへのエンゲージメントが底上げされました。
ユーザーがアプリを見る目は肥えています。今後はより利便性や必要性の高いアプリにユーザーが集中していくでしょう。つまり、ユーザーにとってはより洗練されたアプリを手にすることができることになる一方で、パブリッシャー間の競争はより激しくなります。
モバイルは未来のテレビへ
動画ストリーミング分野の収益が2024年までに304億ドルに達すると予測される中、OTT(Over The Top)メディアはモバイルマーケターに大きなチャンスをもたらしてはいるものの、その多くがまだ生かされていないのが現状です。
自宅でも外出先でも、モバイルはOTT業界にとってますます重要な要素となっています。Adjustの最新調査によると、モバイルストリーミングを積極的に利用しているのは若年層で、特にZ世代(1997〜2012年生まれ)とミレニアル世代(1981〜1996年生まれ)は他世代よりもストリーミングやオンデマンドのエンターテインメントサービスにおいて課金を厭わない傾向にあります。
2021年に向けてモバイルマーケターがOTTマーケティングに着手しユーザー獲得のための広告費を徐々に増加させている今、注目すべきは、マーケターが何にコストをかけ、どのようにユーザーをアプリに遷移させているかです。多くの企業がOTTに多額の投資をしている一方で多くの場合、その価値を高める手法をいまだ理解していません。早急に解決すべき課題です。
サブスクリプションは究極の収益化モデルに
今日、モバイルアプリの収益モデルとして、アプリ内課金や広告収益に加え、サブスクリプションがさまざまなジャンルのアプリで試されています。サブスクリプションについては詳細な計測の環境が整ったこともあり、複合的な収益モデルを柔軟に設計できるようになりました。この点は2021年のアプリビジネス発展の重要なポイントとなるでしょう。
エンターテインメント、Eコマースからフィットネス、ファイナンスまで、ユーザーが今まで以上に多用途においてモバイルデバイスを使用するようになった2020年、サブスクリプションベースのアプリの成長は加速されました。また、ユーザー習慣の変化もその成長を後押しし、サブスクリプションが持つ「ユーザーをつかんで離さない力」を示しました。サブスクリプションが普及する中、特にZ世代とミレニアル世代はアプリのプレミアムサービスを購買し、気に入ったブランドをサポートする傾向にあります。
Adjustの最新調査によると、サブスクリプションに最もコストを割いているのは25〜34歳の消費者(月当たり25.85ドル)で、その金額は55歳以上(13.97ドル)を大きく上回ります。さらに、Z世代とミレニアル世代の消費者の4分の1以上が、モバイルアプリサービスのサブスクリプションを契約する代わりに他のサービスに出費するのを止めたと回答しました(例えば、ジムに行くのを止めてフィットネスアプリのサブスクリプションを開始したなど)。
iOS 14ではターゲティング広告がこれまで以上に難しくなるため2021年、広告収益のみに限らず、ますます多くのアプリが収益化モデルの多様化を目指すでしょう。多くのパブリッシャーや広告主にとって、サブスクリプションは究極の収益源となります。
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