神戸新聞ＮＥＸＴ
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、中国に拠点を構える兵庫県内の企業が、現地従業員らへの健康管理対策を強化している。操業再開の延期を決める一方、再開に向けて現地拠点にマスクなどの衛生物資を送る動きも出始めている。（横田良平、大島光貴、塩津あかね）
川崎重工業（神戸市中央区）は、武漢にある船舶用機器の製造・販売子会社の操業再開を、２月１４日以降に延期する方針を決めた。地元当局の通達に従い、上海などの拠点の再開も同月１０日ごろに繰り下げる。神戸製鋼所（同）は中国に残っている日本人駐在員と家族に対し、可能な限り帰国するよう通知し、費用は会社が負担するとした。
住友ゴム工業（同）は現地のニーズに応じ、中国工場にマスク２万１千枚と非接触式の体温計３４個を届ける。駐在員が中国に戻る際に持参し、消毒液３００本も後日送る。同社は中国の３工場で計約３５００人（２０１８年１２月末時点）が勤務。操業再開時には全従業員に体温測定を義務付け、「健康管理に万全を期したい」としている。
三ツ星ベルト（同市長田区）は中国の工場などにマスク約千枚を発送し、追加で約千枚を準備。新明和工業（宝塚市）、極東開発工業（西宮市）も中国拠点にマスクを送った。バンドー化学（神戸市中央区）も今後、送付する予定。
中国に７拠点を持つ東洋機械金属（明石市）は、マスク６００枚を用意したが「調達はまだ所要の半分ほど」という。マスクを確保できなかった現地拠点が多く、１０日の操業再開に向け「手元にある分だけでも送るしかない」という。
「マスクが入手できない」と嘆くのは、大連に子会社がある帝国電機製作所（たつの市）。兵庫県内の病院を通してマスクの製造元に連絡したが、品薄で手に入らなかったという。
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January 31, 2020 at 06:03PM
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