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Thursday, January 2, 2020

健康づくりに助成金を 新春知事インタビュー(下) - 中日新聞

新年の抱負を語る鈴木知事(右)。聞き手は本紙の前田三重総局長=津市渋見町の三重テレビ放送で

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 鈴木英敬知事へのインタビュー後半は、優先して取り組む政策、農業や漁業の課題、消費税増税後の雇用、経済支援について聞く。

■健康、教育

 三期目の政策で特に取り組みたいことは。

 まずは県民の健康づくりだ。県民意識調査で重要な政策と挙げる人が多かった。従業員の健康改善に取り組む企業へ助成金などのインセンティブをつけたい。県民の死亡原因で最も多いがん対策もしっかり進めたい。

 衆院解散がささやかれ、去就も注目される。

 一日一日知事として頑張る。期待されるのはありがたいが、知事としての職責をしっかり果たしたい。

 子どものいじめや自殺をどう防ぐか。

 二期目で県いじめ防止条例をつくり、四百五十の企業や団体が「県いじめ防止応援サポーター」になっている。官民挙げて取り組んでいく。自殺対策では、「死にたい」などの言葉をインターネットで検索すると相談窓口が提示されるようなシステムを新年度の予算でつくりたい。

■農業、漁業

 昨年は県内で豚コレラ(CSF)が発生した。

 生産者に寄り添い、国にはワクチン接種を早くと要望してきた。時間はかかったが、接種できてよかった。ただ、野生イノシシへの感染や愛知県ではワクチン未接種の飼育豚への感染もあり、危機感を強めている。引き続きワクチン接種、小動物の侵入防止対策をしっかりやりたい。

 県産豚の風評被害対策や消費拡大は。

 差別的な表示や価格下落がないか七百を超える店舗を確認したが、流通業者も消費者も冷静に受け止め、影響は表れていない。油断はできないので風評被害対策をしっかり進めたい。

 真珠の母貝のアコヤガイ大量死もあった。

 過去十五年で最も海水温が高く、餌となるプランクトンが少なかったことが主な原因とみられる。温度管理をリアルタイムで養殖業者が把握するなど、養殖の方法を変えていく。対策を書いたマニュアルも全国で初めてつくった。来年以降の真珠生産に影響する可能性がある。経営への影響も注視していきたい。

 カキの大量死も判明した。

 七月下旬の急激な海水温の上昇が原因とみられる。今後の養殖のあり方を生産者と議論したい。生産者が恐れているのは風評被害だ。カキのおいしさに変わりはなく、たくさん食べていただければありがたい。

■経済、雇用

 昨年十月の消費税増税後の県内経済への影響は。

 増税前に家電製品や日用品の駆け込み需要があり、反動減が心配だ。全体的な消費マインドの低下もあるかもしれず、非常に憂慮している。特に中小企業への影響をなるべく避けるため、今年はきめ細かな分厚い支援をしたい。キャッシュレス決済の推進や人手不足、後継者不足への対策をしっかりやる。災害に備え、防災減災対策支援金という新しい融資制度をつくり、中小企業が災害時も事業を継続できる支援をしたい。

 全国で人手不足が続いている。県内の状況は。

 転出超過が四千人ほどで、八割が十五〜二十九歳。若者の定着に力を入れる必要がある。首都圏の大学など十九校と就職支援協定を結んでいて、U・Iターン就職を増やそうとしている。県内で働いてもらう場合の奨学金の充実なども考えながら、中小企業の人手不足感に対応したい。

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