このシリーズでは、予防歯科学が専門の大阪大歯学部教授、天野敦雄さんに聞きます。(聞き手・佐々木栄)
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「健口」には、歯磨きが最も効果的だと思いますよね。でも、その目的は一つではありません。プラーク( 歯垢 )や食べかすを落とす、むし歯や歯周病の予防など、目的に合った歯磨きが大切です。
むし歯を防ぐには、食べたらすぐ磨くことが肝心です。口に残る食べかすには口内細菌の餌になる発酵性糖質(砂糖、ブドウ糖、果糖、でんぷん)が含まれます。細菌はこれらの糖質を食べ、歯を溶かす酸を出します。かみ合わせの面や歯と歯の間を、食後なるべく早めにしっかり磨きましょう。
ある日、私の予防歯科外来を定期受診する40歳の女性から質問を受けました。「食後30分は歯磨きをしない方がいいと聞くのですが、本当ですか?」。確かに2年ほど前、そんな話が広がりました。ですが、答えは「ノー」です。
酢を飲む、かんきつ類をよく食べるなど、酸性が強い食事をする人は、溶けた歯の成分を補う「唾液による再石灰化」を食後30分ほど待つ方がいいとされます。けれど、普通の食習慣なら、食事中に出る唾液だけで歯が溶けるのを防げます。
歯周病は、1日1回ずつプラークを落とせば予防できます。プラークの成熟には24時間以上かかるので、それで十分です。寝ているうちに細菌が増えてしまうので、起床後はうがいをし、朝食後は食べかすを落とす歯磨きで、むし歯予防を心がけましょう。
プラークは軟らかいのですが、放置すると歯石と呼ばれる硬い付着物になります。歯石は歯ブラシでは取れません。年に数回、歯科で除去することをお薦めします。
【略歴】
天野 敦雄(あまの あつお)
大阪大学歯学部教授。高知市出身。1984年、大阪大学歯学部卒業。ニューヨーク州立大学歯学部博士研究員、大阪大学歯学部付属病院講師などを経て、2000年、同大学教授。15年から今年3月まで歯学部長を務めた。専門は予防歯科学。市民向けの講演や執筆も多く、軽妙な語り口・文体が好評を得ている。
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