
伊那市西箕輪羽広の仲仙寺(ちゅうせんじ)本堂で17日、市指定文化財の「羽広獅子舞」が奉納された。羽広獅子舞保存会が雌雄の獅子による「阿吽(あうん)の舞」を披露し、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災、地域の安泰を祈願。新型コロナウイルスの感染拡大で中止も検討したが、規模や時間を縮小し、408回目を数えた新春の伝統をつないだ。
「全ての人の健康を願う」。午前9時、保存会名誉会長の重盛正さん(72)のあいさつに続き、口を閉じた雄獅子と口を開いた雌獅子が南北に分かれて舞を始めた。笛と太鼓の音に乗せ、悪魔をはらうように剣を動かす「剣(つるぎ)の舞」、御幣を振って豊作を祈る「豊穣の舞」など、息の合った五つの舞を奉納。15分間の儀式が終わると、厳かな雰囲気に包まれていた本堂に大きな拍手が鳴り響いた。
羽広区の全約230戸でつくる保存会が開催可否を直前まで検討した。参加者は例年の半分の30人ほどに縮小。阿吽の舞に続き区内約30戸を回って家内安全を願う舞を初めて中止にするなど、感染対策を徹底した。
「一生に一度」とされる阿吽の舞の担い手も、練習時間が限られたため経験者が担当。昨年に続いて雄獅子を引き受けた会社員の山口慧(さとし)さん(31)は「1回しか練習できなかったが、コロナの収束を願い充実して舞えた。若い世代で経験を共有し、歴史を受け継ぎたい」と力を込めた。
からの記事と詳細 ( 健康願う「羽広獅子舞」 規模や時間縮小し奉納|信毎web - 信濃毎日新聞 )
https://ift.tt/2XP3QQR
No comments:
Post a Comment